
要点
- 日銀が政策金利を0.25%(25bp)引き上げるとの見方が強まり、円買いが進んだことで、USD/JPY(米ドル/円)は153.500〜154.000へ下落した。※bp(ベーシスポイント)は金利の単位で、1bp=0.01%。
- 日本の4〜6月期GDP(国内総生産)成長率は年率換算で1.4%へ上方修正され、日銀が追加利上げを続けるとの見方を後押しした。※GDPは国全体の付加価値の合計で、景気の大きさを示す。
- 日本の国債利回り(長期金利)が上昇し、円で資金を調達して高金利通貨などに投資する「円キャリートレード」の魅力が低下。円を売って持ち続けるコストが上がり、円売りポジションが持ちにくくなっている。
- 今後のUSD/JPYは米国のCPI(消費者物価指数)が焦点。※CPIは物価(インフレ)の強さを示す統計。インフレが強ければ米金利が下がりにくいとの見方からドルを支えやすく、弱ければ円高(ドル安)要因になりやすい。
相場の動き
USD/JPYは154.000を維持できず、直近の取引では153.500付近へ下落した。
USD/JPYは短期の9期間移動平均線(直近9本の価格の平均を線で示し、目先の流れを見る指標)を下回り、短期的な勢いの弱さが示された。いったん153.700〜153.800近辺で推移した後、売りが再び強まり、取引時間中の安値153.528に近づいた。
なぜUSD/JPYが注目されるのか
市場は、米国と日本の金利見通しの変化を踏まえ、USD/JPYの方向感を探っている。
9月17〜18日の日銀会合で政策金利を1.25%へ引き上げる(0.25%=25bpの利上げ)との見方が強まっている。加えて、日本の4〜6月期GDP成長率は、設備投資の強さに支えられ、年率換算で1.1%→1.4%へ上方修正された。
日本の利回り上昇は、円で調達して運用するキャリートレードの利回り妙味を薄め、円高を支えやすく、USD/JPYには下押し圧力となっている。
一方、ドルは今後発表される米CPIに反応しやすい。CPIは米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策見通しに影響するためだ。インフレが強ければUSD/JPYを支えやすく、弱ければ下落圧力が強まりやすい。
注目の取引水準
| 想定 | 注目水準 |
| 上値抵抗(レジスタンス) | 154 |
| 目先の上値抵抗 | 154.300–154.400 |
| 現行レンジ | 153.500–153.600 |
| 下値支持(サポート) | 153.5 |
| 次の下値支持 | 153 |
USD/JPYは154.000を維持できず、現在は153.500の下値支持を試す展開となっている。次の方向性を占ううえで、この2水準が重要になる。
153.500を明確に割り込めば、売りが続いて153.000が視野に入る。一方、154.000へ戻せば買い方が持ち直しているサインになり得る。加えて、154.300〜154.400は上値で売りが出やすいゾーンとして意識される。
強気・弱気の想定

| 想定 | 注目点 |
| USD/JPY 強気 | 153.500を上回って下げ止まり、154.000回復を試す。154.400を上抜ければ買いが再び入りやすい。 |
| USD/JPY 弱気 | 154.000を下回ったまま153.500を割り込むと、153.000やさらに下の水準が意識されやすい。 |
目先のUSD/JPYは、153.500の下値支持を守れるか、または154.000超で勢いを取り戻せるかが焦点となる。
強気の想定では、153.500の上で安定し、154.000を回復すると、154.300〜154.400が次の目標になり得る。
弱気の想定では、154.000を下回ったまま153.500を割り込むと、円高が続くなかで153.000方向へ下げが広がる可能性がある。
免責事項
記載の価格水準や想定は執筆時点の見方であり、投資助言ではない。VT Marketsの公式見解や推奨を示すものでもない。取引は自身で検討し、損失リスク(想定以上の損失が出る可能性)に注意したい。
USD/JPYの見通し:次の焦点
USD/JPYの先行きは、米国の物価指標と、日銀の利上げ観測が一段と強まるかどうかに左右されそうだ。
9月の日銀利上げ観測が強まれば、日本の利回り上昇による円需要(円を買う動き)やキャリートレードの巻き戻し(円売りポジションを閉じる動き)で、USD/JPYは上値が重くなりやすい。153.500を継続的に割り込めば弱気見通しが強まり、153.000方向への下落が意識されやすい。
一方、米CPIが強ければ、FRBが利下げを急がないとの見方が強まりやすく、USD/JPYを支える可能性がある。この場合、154.000〜154.400への戻りを試す展開もあり得る。
当面は、153.500の下値支持と154.000の上値抵抗が、短期の重要水準となる。
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FAQ
なぜUSD/JPYは154.000を下回っているのか?
日銀の利上げ観測が強まり、円買いが進んでいるためだ。日本の利回り上昇とキャリートレードの巻き戻しが、円需要を押し上げている。
日銀の利上げはUSD/JPYにどう影響する?
利上げは日本の金利を押し上げ、日米の金利差(利回り格差)を縮めやすい。金利差が縮むと円が買われやすくなり、USD/JPYの下押し要因になり得る。
次にUSD/JPYへ影響し得る米指標は?
米CPIが重要だ。インフレが強ければドルを支えやすく、弱ければUSD/JPYの下落圧力が強まりやすい。
USD/JPYで注目すべき水準は?
153.500が目先の下値支持、154.000が重要な上値抵抗として意識される。どちらかをはっきり抜けると、次の値動きが出やすい。
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