
ポイント
- 金(XAU/USD=金の米ドル建て相場)は、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ見通しを、市場が米雇用指標を前に見直すなか、4,400ドル近辺まで持ち直した。
- XAU/USDは4,421ドル近辺で推移。日中は安値4,381.11ドルから高値4,421.44ドルのレンジで動いた。
- 市場は8月の米非農業部門雇用者数(NFP=農業以外の分野で増えた雇用者数)に注目。7月の減少から「雇用増」へ戻るとの予想が多い。
- 賃金の伸び(平均時給)への見通しと、FRBの政策金利見通しの変化が、米国債利回り(国債の利回り)・米ドル・金価格の主要材料になっている。
- 近く発表される労働関連データが、FRBの今後の政策見通しを変えるかどうかが焦点。
金価格は4,400ドル近辺まで回復し、XAU/USDは日中安値の4,381.11ドルから反発して4,421ドル近辺で推移している。
足元の金は下押し圧力が強かったが、重要な米雇用指標を前に、市場環境の変化を見極めたいとの動きが広がり、買い戻しが入った。
なぜ金が注目されるのか
市場は、これから入ってくる経済指標がFRBの政策見通し(利上げ・利下げの想定)を変えるかを見ており、金もその影響を受けやすい。
直近の労働関連指標が強弱まちまちだったため、雇用統計への関心が一段と高まっている。
ADP全米雇用報告(民間企業の雇用者数の増減を推計する指標)では、8月の米民間雇用者数が3.8万人増と、市場予想(4.7万人増)を下回り、労働市場の強さに不透明感が残った。
同時に、市場はインフレ再燃リスクと、それが政策金利見通しに与える影響を注視している。米国債利回りが上がると、利息を生まない資産である金を持つ「機会損失(利回り資産を持たないことで得られない収益)」が大きくなり、金には下押し要因になりやすい。一方、FRB見通しが変われば、金への需要も揺れやすい。
注目の売買水準
| 価格水準 | 注目点 |
| $4,500 | 戻りが続いた場合の上値の壁(レジスタンス) |
| $4,450 | 目先の上値の壁(レジスタンス) |
| $4,421 | 現在の取引水準(直近の上方向の目安) |
| $4,400 | 心理的な下値の支え(サポート)となりやすい水準 |
| $4,381 | 日中安値で、当面の下値の支え(サポート) |
| $4,350 | 売り圧力が強まった場合の下値のめど(サポート) |
金は4,381ドル近辺の日中安値から戻し、4,421ドル近辺で推移している。反発により、短期の移動平均線(一定期間の価格の平均で、相場の向きの目安)付近の4,420ドル近辺を回復しており、短期の値動きは改善している。
4,400ドルを維持できるかが焦点で、次の上値の壁は4,450ドルが意識される。4,400ドルを割り込むと、4,381ドルの下値支持が再び注目されやすい。
強気・弱気のシナリオ

| シナリオ | 条件 | 想定される反応 |
| 戻り基調の継続 | $4,400を維持 | $4,450の上値の壁に向けて戻りが続く可能性 |
| 上抜け(強気) | $4,450を上回る | 買いが優勢になり、上昇の勢いが強まりやすい |
| レンジ推移 | $4,381〜$4,450を維持 | 新たな材料待ちで、一定の範囲内にとどまりやすい |
| 下抜け(弱気) | $4,381を下回る | $4,350の下値支持に向けて売りが強まる可能性 |
強気の前提は、XAU/USDが4,400ドルの下値支持を保ち、4,450ドルに向けて戻りを続けることだ。4,450ドルを明確に上回って定着すれば、買いの勢いが強まり、さらに上の上値抵抗が意識されやすい。
弱気は、金が日中安値の4,381ドルを下回った場合に現実味を増す。足元の反発が一服したサインとなり、下押し圧力が強まれば次の下値めどとして4,350ドル近辺が浮上しやすい。
免責事項
上記の価格水準と市場シナリオは執筆時点の筆者の見方であり、投資助言ではない。VT Marketsによる公式の推奨でもない。取引にあたっては各自で分析を行い、リスク管理(損失を抑えるためのルール作り)を徹底したい。
金の見通し:NFPは上昇を後押しするか、押し目になるか
金の次の方向は、これから出る労働関連データがFRBの政策見通しをどう変えるかに左右されやすい。
8月のNFPは+5.5万人(前月7月は-2.3万人)との予想。平均時給は前月比+0.3%(前回+0.1%)へ伸びが強まる見通しで、失業率は4.1%で横ばいが見込まれている。
市場では9月利上げの織り込み(確率として見積もること)が約70%とされ、雇用統計が次の材料になっている。雇用が強い、または賃金の伸びが強い結果となれば、金融引き締め(利上げなどで景気を冷ます政策)観測が強まり、米ドルを支え、金には下押し圧力になりうる。
一方、雇用が予想より弱ければ、利上げ観測が後退し、米国債利回りや米ドルの上昇圧力が和らぐ可能性がある。金が4,400ドルを維持できれば、4,500ドル近辺まで戻りを試す余地がある。
VT Marketsで金取引をチェック
金は、米雇用指標、FRBの政策見通し、米国債利回りの変化といった大きな材料で値動きが急になりやすい。
VT Marketsは、週末も含めて24時間取引に対応する金商品「XAUUSD247」を提供している。
XAUUSD247は、MetaTrader 5(取引プラットフォーム)とVT Marketsアプリで利用できる。

よくある質問
金はなぜ持ち直しているのか
FRBの政策見通しと米経済指標を、市場が見直す動きのなかで4,400ドル近辺まで戻した。直前は、米国債利回りの上昇と米ドル高が金の重しになっていた。
米国債利回りは金にどう影響するのか
米国債利回りが上がると、利息が付かない金の魅力が相対的に低下しやすい。利回りが得られる資産に資金が向かいやすくなり、金を持つ機会損失が増えるためだ。
米雇用統計が金に重要な理由は
雇用統計は、FRBの政策見通しに影響しやすい。雇用が強ければ利上げ観測が強まり金は下押しされやすい一方、弱ければ利上げ観測が後退し、XAU/USDの支えになりうる。
注目の価格水準は
目先の上値の壁は4,450ドル、重要な下値の支えは4,400ドル。4,450ドルを上抜ければ4,500ドルが視野に入る一方、4,381ドルを下回ると4,350ドル近辺まで下押し余地が広がりやすい。
金は上昇を続けるか
政策金利見通し、米国債利回り、米ドルの動き、経済指標次第だ。4,450ドル超えが定着すれば戻り基調が強まりやすいが、利回り上昇が再び進むと上値が抑えられる可能性がある。
VT Marketsで金は取引できるか
可能。VT Marketsは、週末を含む24時間対応の「XAUUSD247」などを通じて金取引を提供している。価格の監視、市場環境の分析、チャート(価格の推移を図で示したもの)を使った売買ポイントの検討ができる。
今すぐ取引を始めましょう — VT Marketsのリアル口座を開設するにはこちらをクリックしてください。