ドル安で金は4,320ドル台を回復、上値は原油高主導のインフレ懸念が抑制

by VT Markets
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Sep 2, 2026

金は4週間ぶりの安値から反発し、欧州時間には米ドルが小幅に下落したことを受けて4,320ドル台を回復した。ただし、上値は抑えられた。原油価格が上昇し、7月24日以来の高値を付けたことでインフレ懸念が強まり、9月の米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ観測が優勢となったためだ。地政学的な緊張は安全通貨としてのドル(グリーンバック)を下支えし、利息を生まない金相場の重しとなった。さらに世界的な債券売りが進み、米10年債利回りは2025年1月以来の高水準に上昇した。

緊張は、日曜日にホルムズ海峡のララク島近海で米国が実施した攻撃(7月下旬以降では初とされる)を受けて一段と高まった。その後、米中央軍(CENTCOM)が革命防衛隊(IRGC)関連目標に対する追加行動を行ったと報じられ、また水曜日にはイランによるミサイル・ドローン攻撃が、バーレーン、クウェート、ヨルダンにおける米国関連の権益を標的にしたと伝えられた。ソシエテ・ジェネラルは米国債カーブの長期ゾーンの脆弱性を指摘し、米10年債利回りが5%方向へ動く可能性があると述べた。市場は金曜日の米雇用統計(非農業部門雇用者数、NFP)を待っている。テクニカル面ではMACDはゼロライン下でマイナス、RSIは44近辺。下値支持は200日指数平滑移動平均(EMA)の4,276ドル前後、次いで4,236ドル、4,111ドル、3,952ドル。上値抵抗は4,324ドル、4,412ドル、4,521ドルに位置する。

地政学的不確実性の中で脆い金の戻り

足元の金市場では、米ドルの小幅な調整を背景に、XAU/USDが4,320ドルをわずかに上回る水準で推移するなど、一時的なリリーフラリーが観測されている。ただし、この戻りは脆弱とみる。中東情勢の緊迫化で原油が数カ月ぶり高値に押し上げられ、インフレ再燃への警戒が強まっているためだ。こうしたマクロ環境は今月後半のFRB利上げ観測を促し、貴金属の大幅な上昇余地を抑える公算が大きい。

背景として、世界的な債券売りが米10年国債利回りを2025年1月以来の高水準へ押し上げ、主要機関の一部は5%節目への接近を見込んでいる。歴史的に、10年債利回りが5%近辺に接近した局面(2023年後半のような局面)では、金のような無利息資産が大きな換金売りにさらされやすかった。このため、デリバティブ取引では押し目買いを避け、むしろ一段安圧力に備えるべきだ。

金のポジショニングと取引戦略

価格が目先の上値抵抗である4,324ドルおよび4,412ドル近辺へ戻した場合、短期のベア・プット・スプレッド、または金先物のストレートなショートを検討したい。4,276ドルの200日EMAを明確に割り込めば、4,236ドルのサポートへ向けた急落局面が開ける可能性がある。一方、コールオプションの活用は現時点では方向性を取りにいく手段というより、短期ヘッジにとどめるのが妥当だ。

注目のNFPが今週金曜日に控える中、市場のボラティリティは大きく高まる見通しだ。発表後の反応を注意深く見極める必要があり、強い雇用指標が出ればFRBのタカ派姿勢が固まり、急速な売りを誘発しやすい。最初のデータ主導の変動が一巡するのを待ち、より有利な水準でショートを積み増す戦略を推奨する。

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