
プライバシー重視の暗号資産(仮想通貨)Zcash(ZEC)は、上場投資信託(ETF)への期待が再燃し、買いが増えたことで反発基調を強めた。背景には、資産運用会社グレースケールが「Zcashトラスト(信託)」をETFへ転換する可能性に向けた申請を行ったことがある。取引量の増加と投資家心理の改善も上昇を後押ししている。市場は、ZECが直近高値を上抜けるか、上昇の勢い(モメンタム)が一服するかを見極めている。
Key points
- ZECは6月の安値から急伸し、足元は830〜840ドル近辺で推移。強い買いが上昇を支えた。
- グレースケールがETF転換に向けた修正済み登録届出書を提出したことで、ETF期待が高まった。先物などの取引も高水準が続いた。
- 市場の注目は886.70ドル(上値抵抗線)と800ドル(下値支持線)。RSI(相対力指数:買われ過ぎ・売られ過ぎを測る指標)は勢いの強さを示す一方、過熱感も示唆している。
Why worth watching
Zcashは、機関投資家(年金・投資信託などの大口投資家)からの関心が高まれば、プライバシー重視の暗号資産の利用拡大につながるとの見方から、再び注目を集めている。
材料となったのは、グレースケールが「Grayscale Zcash Trust」をETFへ転換するための修正済み登録届出書を提出したことだ。承認されれば、商品名は「The Zcash ETF」に変更され、NYSE Arca(ニューヨーク証券取引所グループの電子取引市場)にティッカー(銘柄コード)ZCSHで上場する計画。もっとも、転換は規制当局の承認が前提となる。
今回の上昇は、6月の急落からの回復でもある。開発者が「Orchardシールドプール(取引情報を暗号化して秘匿する仕組み)」に影響する脆弱性(セキュリティ上の弱点)を明らかにした後、Zcashは大きく下落した。その後、NU6.2(ネットワーク更新:ソフトの更新でルールや機能を改善すること)で問題が修正され、懸念材料が一つ解消された。
市場参加の拡大も上昇要因だ。ZECの先物出来高(先物取引の売買量)は24時間で約95.4億ドルに達し、現物出来高(実際に暗号資産を売買する取引量)の約10.6億ドルを上回った。建玉(未決済の先物ポジション残高)も約18億ドルまで増え、直近の値動きの背景にデリバティブ(先物など、価格が別の資産に連動する取引)の資金流入があることを示す。
Zcashの当面の焦点は、上放れ(レンジを上に抜ける動き)が直近高値を超えて続くか、それとも急上昇の反動で値動きが落ち着くかだ。
Key trading levels
- 900ドル:心理的な上値の節目
- 886.70ドル:直近高値で上値抵抗線
- 837.60ドル:現在の取引レンジ
- 800ドル:心理的な下値の節目で、押し目の目安
- 610ドル:EMA20(指数平滑移動平均:直近の価格に重みを置いた平均線)付近のトレンド下支え
- 500ドル:過去のもみ合い(値動きが狭い範囲に収まる状態)ゾーンで、広い意味での下値支持
Technical analysis

ZcashはEMA20を大きく上回って推移し、短期の上昇トレンドが鮮明だ。500ドル近辺の長いもみ合いを上抜け、出来高(売買量)の増加を伴って上値を伸ばした。
上抜け局面で出来高が増えたことは、参加者が増えたサインといえる。一方で、価格とEMA20の乖離(かいり)が広がっており、上昇が平均的なペースを上回って進んだことも示す。
RSI(14日)は83前後で、勢いの強さを示す半面、短期的な過熱(買われ過ぎ)を示唆する。強い上昇局面ではRSIが高水準に張り付くこともあるが、買いが続くには、いったん調整(小休止や押し目)が入るかどうかが焦点となる。
目先のレンジは800ドル(下値支持線)〜886.70ドル(上値抵抗線)。
886.70ドルを上抜ければ、上放れの形が強まり、心理的節目の900ドルが意識される。逆に800ドルを割り込めば、短期の勢いが弱まり、EMA20周辺の下値ゾーンが視野に入る。
- 上昇シナリオ:886.70ドルを出来高を伴って上抜ければ、買い意欲の継続を示し、900ドル近辺を試す可能性がある。
- 下落シナリオ:800ドルを下回れば、売りが優勢になり始めたサイン。下押しが深まれば、EMA20(610ドル近辺)が意識される。ただし現水準からの下げ幅は大きい。
Disclaimer
上記の価格水準や取引シナリオは執筆時点の筆者見解であり、投資助言ではない。取引は自身の分析に基づき、リスク管理を徹底したい。
Next market drivers
チャート以外では、グレースケールによるZcashのETF転換案の進展、暗号資産市場全体の投資家心理、デリバティブの建玉動向、規制面の動きが焦点。レバレッジ(借入などで資金効率を高める取引)が高い状態と直近の急騰が、値動きの振れ(ボラティリティ)の拡大につながるかも注目される。
Trade Zcash with VT Markets
暗号資産のCFD(差金決済取引:現物を保有せず、価格差で損益を決める取引)を使うと、ZECを実際に保有しなくてもZECUSDの価格変動を取引できる。ETF関連の動き、市場心理、取引の活発さ、テクニカル指標上の勢いなどを材料に売買判断が可能となる。
VT Marketsのチャート機能で、支持線・抵抗線やモメンタム(上昇・下落の勢い)を確認しながら、次の局面に備えたい。暗号資産CFDの詳細はVT Marketsで確認できる。
Frequently Asked Questions
Zcashでは何が起きている?
Zcashは、ETFへの期待と市場の強い上昇の勢いを背景に買いが集まり上昇している。規制当局の判断や、先物などデリバティブ取引の活発さが注目点となっている。
ZcashとZcashのCFDはどう違う?
Zcashは暗号資産そのものを指す。ZcashのCFDは、暗号資産を保有せずに、ZEC価格の変動で損益を狙う取引。
VT MarketsでZcashを取引できる?
できる。VT MarketsはZcashのCFDを提供しており、市場分析ツールを使って投資家心理、相場の勢い、重要なテクニカル水準を確認しながら取引できる。
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