
ポイント
- ASML株は2026年7月15日(水)、ナスダック市場で終値1,815.27ドル。第2四半期決算が市場予想を上回り、約2.2%上昇した。
- 第2四半期の売上高は93.3億ユーロと、アナリスト予想(約88.0億ユーロ)を上回った。純利益も予想超え。
- 2026年通期の売上高見通しを430億〜450億ユーロに引き上げ。先端半導体製造装置の需要が追い風。
- 顧客がAI向け半導体への投資を増やす中、EUV(極端紫外線)とDUV(深紫外線)の生産能力を拡大する。
- 日足では1,830ドル近辺が目先の上値抵抗線(レジスタンス)。1,799〜1,800ドルが最初の下値支持線(サポート)。
半導体製造装置大手ASMLの株価は、4〜6月期(第2四半期)決算が予想を上回り、2026年の売上高見通しも引き上げたことを受けて上昇した。
株価は前日終値(1,776.11ドル)から約2.2%高の1,815.27ドルで取引を終えた。取引中の値動きは大きく、安値1,735.65ドル〜高値1,830.00ドルの範囲で推移。投資家は決算内容、会社側の業績見通し(ガイダンス)の上方修正、半導体需要の先行きを見極めた。
ASMLの第2四半期の売上高は93.3億ユーロで、市場予想(約88.0億ユーロ)を上回った。純利益は29.2億ユーロと、こちらも予想を超えた。
また2026年通期の売上高見通しを、従来の360億〜400億ユーロから430億〜450億ユーロへ引き上げた。
見通しの上方修正は、AI(人工知能)向けインフラ投資により、先端半導体装置の需要が底堅いとの見方を強めた。
トレーダーがASMLを注視する理由
ASMLは、半導体の製造工程で使う露光装置(回路パターンを基板に焼き付ける装置)を提供しており、世界の半導体サプライチェーン(供給網)で重要な位置を占める。
同社のEUV(極端紫外線)露光は、最先端のロジック半導体(計算処理を担う半導体)や高性能半導体の量産に欠かせない。これらはAI、データセンター(大規模なサーバー設備)、HPC(高性能計算:大量の計算を高速に行う分野)で利用される。
TSMC、サムスン電子、SKハイニックス、マイクロン、インテルなどの主要メーカーは、生産能力の増強にあたりASMLの装置に依存している。
市場参加者にとってASMLの決算は、半導体各社の設備投資(資本支出、Capex:工場・装置に投じる資金)の強さを測る手がかりになる。受注が強く生産計画も引き上がれば、AI関連需要が続く見通しを示す。一方、投資が鈍れば、半導体市況(サイクル)の減速サインになり得る。
AI需要が増産投資を後押し
AI関連の投資が、先端ロジック、メモリー(記憶用半導体)、半導体製造装置の需要を押し上げている。
ASMLは顧客からの需要が強いとし、生産能力拡大計画を維持。2027年にlow-NA EUV(開口数NAが比較的小さいEUV:現行世代のEUV装置)能力を約30%増やす見込みで、2028年の追加拡大も検討している。
さらにDUVの液浸(イマージョン:レンズとウエハーの間に液体を入れ解像度を上げる方式)装置の能力も増やす方針だ。
2027年までに増やすEUV能力の大半はすでに顧客向けに割り当て済みで、先端露光装置の需要の強さがうかがえる。
半導体業界の先行きが焦点
ASMLの好決算は、半導体株への見方が割れている局面で出てきた。
決算はAI関連需要への安心感を支えた一方、半導体関連株は大きく上昇してきたため、投資家は銘柄選別を強めている。
市場は、現在の株価水準(バリュエーション:企業価値評価)を正当化できる利益成長が続くかを注視している。
AI向け半導体需要、業界の設備投資計画、顧客の増産戦略の変化は、ASML株の主要な材料になり続ける。
上昇余地を抑える可能性があるリスク
見通しは強いが、リスクも残る。
最大の焦点は設備投資。顧客が増産計画を減速したり、新規プロジェクトを延期したりすれば、ASML装置の需要が弱まる。
High-NA EUV(開口数NAが大きい次世代EUV:より細かい回路を作るための技術)の普及も注目点だ。製造性能は高い一方、装置は高額で導入も難しい。
輸出規制も材料となる。中国向けは売上構成で重要だが、最先端装置の対中販売には制約がある。
半導体関連の規制変更や顧客投資計画の変動は、将来の売上成長に影響し得る。
ASMLの注目価格帯
| 価格水準 | 注目点 |
| $1,880 | 直近の戻り局面で意識される広めの上値抵抗帯 |
| $1,840 | 決算後の反応を踏まえた短期の上抜け目安 |
| $1,830 | 目先の上値抵抗線、直近レンジ上限 |
| $1,815.27 | 直近の終値水準 |
| $1,799–$1,800 | 最初の下値支持帯、心理的節目(キリの良い水準) |
| $1,735.65 | 直近安値、下方向の重要目安 |
株価は1,830ドル近辺の目先レジスタンスを下回って推移している。ここを上回れば買い意欲の回復が示唆され、1,840ドルが次の焦点となる。
1,840ドルを明確に上抜ければ、1,880ドルが意識されやすい。
下方向では1,799〜1,800ドルが最初のサポート。割り込むと戻り基調が弱まり、1,735.65ドル近辺が再び視野に入る。
強気・弱気シナリオ

| 想定 | きっかけ | 想定される反応 |
| 強気の戻り | 1,830ドル超え | 1,840ドルを試す展開 |
| 強気の上伸 | 1,840ドル上抜け | 1,880ドルを目標に買いが入りやすい |
| レンジ推移 | 1,799〜1,830ドルを維持 | 決算後の荒い値動きの後、もみ合いが続く |
| 弱気の下抜け | 1,799ドル割れ | 1,735.65ドルの再試し |
強気シナリオでは、1,830ドルのレジスタンス回復が前提。上抜けが確認できれば、決算による値動きの後でも買い手優位に戻りつつあることを示す。
1,840ドルを上抜ければ、戻りの形が強まり、1,880ドルが視野に入る。
中立は1,799〜1,830ドルのレンジでもみ合い。半導体需要、AI投資、テクノロジー株全体の地合いを見極める展開を示す。
弱気は1,799ドル割れで強まる。下抜けが確認されれば下押し圧力が増し、1,735.65ドル近辺が再び焦点となる。
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ASMLは、AI、半導体需要、テクノロジー企業の決算、株式市場全体の投資心理を追う投資家にとって重要な銘柄だ。
VT Marketsでは、ASML株のCFD(差金決済取引:株式を保有せず価格差で損益を決める取引)に加え、為替、金、原油、株価指数、ETF(上場投資信託)などのCFDを同一プラットフォームで扱える。ASMLの値動きを見ながら、半導体セクター全体や市場環境も確認しやすい。
チャート機能で、サポート・レジスタンス、移動平均線(一定期間の平均価格でトレンドを見る指標)、ブレイクアウト(節目を上抜け・下抜けする動き)を確認し、次の局面に備える。
CFDでASMLを取引する理由
ASMLのCFDは、現物株を持たずに上昇・下落の両方向を狙える。
決算、半導体需要の変化、AI投資、テクノロジー株の地合いで株価が動きやすい局面で使いやすい。
レジスタンスを上抜ければ上方向の勢いを、サポートを割り込めば下落の継続を確認しやすい。
今後の注目点
次の値動きは、ASML固有の材料と半導体セクター全体の流れの両方に左右される。
主なチェック項目は以下。
- TSMC、サムスン、インテル、マイクロン、SKハイニックスの設備投資計画(Capex)
- AIアクセラレーター(AI処理を加速する専用半導体)と先端メモリーの需要
- EUV・DUVの生産能力拡大の進捗
- High-NA EUVの採用状況
- 半導体の輸出規制(輸出管理)の動向
- 1,799〜1,800ドルのサポートを維持できるか
よくある質問
ASML株はなぜ上昇したのか?
第2四半期決算が市場予想を上回り、2026年の売上高見通しも引き上げたため。AIやHPC向けで先端半導体装置の需要が続いていることが背景にある。
ASML株はどの程度動いたか?
2026年7月15日、ナスダック上場のASML株は終値1,815.27ドルで約2.2%上昇。取引中は1,735.65ドル〜1,877.00ドルで推移した。
ASMLはなぜAI向け半導体で重要なのか?
ASMLは露光装置を提供し、とくにEUVは最先端のロジックやメモリーの製造に不可欠。これらの半導体はAI、データセンター、HPCで使われる。
ASMLの2026年見通しは?
2026年の売上高見通しを430億〜450億ユーロへ引き上げた(従来は360億〜400億ユーロ)。先端装置の需要が理由。
主なサポートとレジスタンスは?
目先のレジスタンスは1,830ドルで、次に1,840ドルと1,880ドル。サポートは1,799〜1,800ドル、下方向の重要目安は1,735.65ドル近辺。
ASML株に影響しうるリスクは?
半導体の設備投資の鈍化、AI関連需要の伸びの減速、次世代EUV(High-NA)の普及遅れ、輸出規制の変更など。
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