USD/CHFは金曜日、米国債利回りの持ち直しとともに米ドルが反発し、前日の下落を打ち消した。木曜日に1カ月ぶり安値の0.8191まで下落した後、同日は0.8250近辺で取引され、日中上昇率は0.56%となった。直前の値動きは、スイスフランと国債への需要に支えられて利回りが低下し、株式センチメントが「AI関連投資の持続性」への懸念で軟化するなか、ドル(グリーンバック)の重しとなっていた。
金曜日には債券ラリーが一服。米10年債利回りは前日に16.6bp低下して4.95%となった後、心理的節目の5%に再接近した。米ドル指数は101.75近辺で推移し、木曜日には3週間ぶり安値の101.45を付けていた。指標は強弱まちまちで、S&Pグローバルの総合PMIは58.4から57.6に低下。内訳は製造業が55.9から56へ小幅改善した一方、サービスは58.8から57.9へ減速した。ミシガン大学の消費者マインド指数は46.3から48へ上方改定され、1年先・5年先のインフレ期待はそれぞれ4.7%、3.5%で横ばいだった。市場の焦点は来週のFOMCへ移る。9月に25bp利上げした後、今回は据え置きが見込まれる。一方、スイス国立銀行(SNB)は政策金利を0%に据え置き、議事要旨で現行スタンスが適切との見解を改めて示した。ただし、エネルギー価格上昇に伴う短期のインフレリスクと、為替介入の必要性低下にも言及した。
金利差拡大とキャリートレード機会
USD/CHFが月間安値近辺の0.8191から反発する局面では、米連邦準備制度理事会(FRB)とSNBの金利差拡大を収益機会として捉えたい。FRBが高水準の政策金利を維持する一方、SNBは0%据え置きのため、利回り優位を狙うデリバティブ投資家にとってキャリートレード戦略の妙味は依然として大きい。ポジショニングとしては、0.8200の重要サポートを上回って安定する限り、押し目でUSD/CHFのロング・オプション、またはコールを選好したい。
注目すべき利回り水準、マクロリスク、デリバティブ戦略
米10年債利回りが重要な5.00%の心理的節目へ再接近するなか、米国債利回りの動向を綿密に監視する必要がある。過去のデータでは、米国とスイスの10年金利スプレッドが400bpを超えて拡大する局面では、高利回りの米資産へ資金が流出し、スイスフランは対ドルで一貫して下落しやすい。米ドル指数が直近安値101.45から回復する局面の上振れを取り込むには、強気のリスクリバーサルやコールスプレッドの活用が有効となり得る。
中東の地政学リスクに加え、米1年先インフレ期待が4.7%と高止まりしている点は、FRBが年末にかけて追加利上げの可能性を残すことを示唆する。米PMIが57.6と明確に拡大圏にあることから、米国経済の底堅さは、成長見通しが抑制的なスイスと対照的だ。運用面では、0.8191の直下にストップロスを設定しつつ、今後数週間で0.8400方向への回復をターゲットとする戦略を推奨する。
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