AUD/JPYは金曜日の欧州序盤、円高基調のなかで111.10近辺まで軟化した。市場は為替介入の可能性に警戒を続けており、日本当局は過度な変動が経済に悪影響を与え得ること、介入が選択肢として残ることを改めて強調している。日銀は先週、政策金利を1.25%に引き上げる一方、10月の連続利上げの可能性も含め追加引き締めに前向きな姿勢を示唆した。ただ、2人の委員が反対し、決定内容は市場の一部が想定したほどタカ派的ではないとの見方も出た。金利面では、10年国債利回りが3%を上回り30年ぶりの高水準に上昇したが、利回り上昇局面で国内債券のポジショニングは慎重姿勢が続いている。
豪州では、市場は来週のRBA(豪準備銀行)会合での25bp利上げを織り込んでおり、木曜日に確認された失業率の小幅な上振れも、この見立てを大きくは変えていない。テクニカル面では、クロスは100日単純移動平均線およびボリンジャーバンド中央線を下回る限り、弱含みバイアスを維持する。14期間RSIは41.70近辺で、下落モメンタムは限定的であることを示唆する。上値抵抗は111.70、その上は112.80、さらに上は114.18近辺が意識される。一方、下値は110.00がサポートで、割り込むと109.67、109.20が次の水準となる。
デリバティブ戦略とリスク管理
AUD/JPYが111.10近辺で推移し、100日単純移動平均線(112.80)を下回って上値を抑えられている状況を踏まえると、向こう数週間のデリバティブ取引では防御的で弱気のスタンスを推奨する。日本の為替介入リスクが意識され、テクニカル構造も弱いことから、110.00の心理的節目を狙うアウト・オブ・ザ・マネーのプット・オプション買いは、リスク・リワード面で魅力的だ。この戦略により、スポットのショートが抱える無制限の損失リスクを回避しつつ、急落局面での利益獲得を狙える。
来週、RBAが25bp利上げに踏み切るとの見通しを背景に、AUD/JPYオプションのインプライド・ボラティリティは大きく上昇する可能性がある。過去には、2024年8月にJPYのインプライド・ボラティリティが15%を上回った局面のように、金融政策の綱引きが市場の急変動を招き、短時間で荒い値動きを引き起こした例がある。こうした不確実性の高まりに備える手段として、上下いずれの方向へのブレイクでも収益機会を得られるロング・ストラドルの構築が考えられる。ただし、全体のバイアスは依然として下方向に大きく傾いている。
イールド差の変化とポジショニング
10年国債利回りが3%超の30年ぶり高水準へ上昇したことは、円キャリートレードを崩していく構造変化が進んでいることを示す。日銀が直近の1.25%への引き上げに続き、10月の追加利上げを視野に入れるなか、従来豪ドルに有利だった金利差は急速に縮小している。AUD/JPY先物のロング・エクスポージャーは縮小し、9月安値の109.67割れを待つ間のプレミアム減価を抑えるため、ベア・プット・スプレッドの活用を提案する。
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