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COMEX銀の流出が進み、ペーパーでの請求が登録在庫を上回る中、受け渡し逼迫懸念が再燃

by VT Markets
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Sep 25, 2026

ニューヨークのバンク・オブ・ユナイテッド・ステーツは預金者の取り付け騒ぎの後、1930年12月11日にニューヨーク州当局によって閉鎖され、40万人超の預金者に影響が及んだ。預金規模ベースでは当時までで米国最大の銀行破綻だった。この出来事は、銀行が預金の一部のみを準備として保有し、残りを貸出・投資に回す「部分準備銀行制度」のメカニズムを浮き彫りにした。すなわち、多数の預金者が同時に現金を求めれば制度が破綻し得るという点である。

これに類似する構図として銀先物市場が引き合いに出された。そこでは受渡可能な現物を上回る「紙(ペーパー)」の請求権が積み上がり得る。100対1や250対1といった検証不能な推計も流布する一方、9月中旬の測定可能なスナップショットでは、COMEXの登録在庫(registered)銀は現物1オンス当たり紙の請求権が5オンス強、概ね5対1だった。CMEデータによれば、9月限の受渡通知は9月18日までに6,168件で、対象は3,084万オンス。それにもかかわらず、9月10〜17日の間にCOMEX倉庫から実物が約710万オンス(約223トン)流出し、総在庫の約2.1%に相当した。同期間に登録在庫は140万オンス増えて9,730万オンス、適格在庫(eligible)は860万オンス減って2億3,280万オンスとなり、総在庫は3億3,720万オンスから3億3,010万オンスへ減少した。この710万オンスの流出は、2025年10月3〜9日の575万オンスの取り崩しを約25%上回り、10月9〜16日の1,396万オンス減の約半分に当たる。周辺環境としては、過去12カ月に2度のスクイーズが起き、銀価格が50ドル超、その後1月に120ドルまで上昇した後に調整したこと、供給不足が6年連続となる見通しで累積不足が8億オンスに近づいていることが挙げられた。地上在庫は2010〜2020年に2億4,300万オンス増えた一方、直近15年は純減4億7,300万オンスとされる。金利面では、10年債利回りが約5%でCPIが3.5%なら実質金利は約1.5%となるのに対し、利回り3%でCPI5%なら約マイナス2%になる、との例示があった。歴史的参照点としては、1970年代に金がほぼ2,329%上昇し、1974年のTビル金利7.4%に対しCPIが12%(実質約マイナス4.6%)だったこと、また1976年8月から1980年1月にかけて、金利が20%近辺へ向かう局面で金が7倍超上昇したことが挙げられた。さらに、マネーサプライが年率約5%で増えるとの言及や、CPI目標2%の「算術」として、複利前で5年で約10%、10年で約20%の目減りに相当する、との説明もあった。


現物銀市場の動向とシステミック・リスク

当社はデリバティブ取引者に対し、10月に向けて現物銀市場を綿密にモニターするよう助言する。直近データでは、9月中旬にCOMEX倉庫から700万オンス超の現物銀が流出し、わずか1週間で総在庫が2.1%も減少した。こうした急速な流出は、最終的に価格を1オンス当たり50ドル超へ押し上げた2025年10月の銀スクイーズ初期局面を想起させる。

重要なのは、銀のペーパー対現物比率が依然として高レバレッジである点だ。現在、登録現物1オンスに対して、紙の請求権がおよそ5本存在する計算となる。今後数週間で、契約保有者の一部が現物受渡しを求めるだけでも、清算プロセスに深刻なストレスが生じかねない。先物市場におけるこの「部分準備」的な構造は、ショート(売り方)が突発的かつ激しいスクイーズ・リスクにさらされることを意味する。

こうした逼迫の深刻さは、より広範な需給データからも読み取れる。シルバー・インスティテュートの最新報告は、世界の銀需要が6年連続の年間供給不足に向かっており、累積不足が8億オンス近くに達しつつあることを確認している。この巨大なギャップは世界の鉱山生産量ほぼ1年分に匹敵し、工業需要家に地上在庫の取り崩しを強いている。


金利、インフレ、戦略的ポジショニング

10年米国債利回りが5%近辺で推移していることを理由に、貴金属をショートするトレーダーが少なくない。しかし、資金フローを左右するのは名目金利ではなく、インフレ調整後の「実質金利」である。高インフレだった1970年代には、名目金利が10%を上回って上昇する局面でも、実質金利が大幅なマイナスを保ったため、金銀は数千%単位で急騰した。

当社は、今後数週間の上方向のボラティリティに備え、ロングのコールオプションやブル・コール・スプレッドの活用によって、リスクを限定しつつ上振れを取り込む戦略を推奨する。構造的な供給不足とCOMEX在庫の急速な取り崩しが重なる環境下では、先物の裸売り(ネイキッド・ショート)は現時点で極めて危険である。歴史的に変動が大きい秋場に入るにあたり、現物裏付けのあるデリバティブでロング・エクスポージャーを維持することが、最も妥当な戦略となる。

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