インドはFY27(2027年度)を力強いモメンタムでスタートした。高頻度指標は、2QFY(第2四半期)の成長率が概ね7%前後となる可能性を示唆している。通年のFY27成長率は前年比7.3%と予想され、FY26の改定値7.8%から減速する見通しだ。これは、政策環境の引き締まり、エネルギー価格上昇の遅行的な下押し効果、前年差の間接税減税による押し上げ効果の剥落により、下期にかけて伸びが鈍化するためである。外部リスクとしては、貿易の分断、地政学、国際資本フローの変化が挙げられる。
FY28(2028年度)の成長率は、先行き不確実性と国内金融環境のタイト化が実体経済へ波及することで、平均6.8~7.0%程度になると見込まれる。総合インフレ率は年度後半に5%超で推移する見通しで、実質金利のバッファーが縮小し、金融政策は引き締めバイアスを維持しやすい。足元の原油高と広範なコア圧力の強まりを踏まえると、FY27下期に50bpの小幅利上げが行われる可能性が意識されている。加えて、3年・5年物の預金満期が集中する点にも注意が促されており、将来のドル需要を抑制し、為替市場への圧力を限定する目的で外貨準備の活用が検討される余地がある。
政策見通しとトレーディング戦略
当社はインド経済の強いモメンタムを注視しており、第2四半期の成長率は7%近辺を維持するとみる。一方で、インフレが5%超で高止まりしていることから、10月の中銀会合は極めて重要となる。物価圧力への対応として50bpの利上げが視野に入る場合、短期金利・短期債利回りは上昇しやすい。デリバティブ投資家には、OIS(翌日物金利スワップ)でのペイ・フィックス(固定払い)ポジション構築、または10年国債先物のショートを通じた備えを推奨する。
為替・株式のリスク管理
為替面では、3年・5年物の大口預金満期が到来し、ドル需要が膨らむことで、ルピーには下押し圧力がかかると予想する。こうした圧力は、エネルギーコストの高止まりによって増幅される。ブレント原油は1バレル当たり80~85ドル近辺でボラティリティの高い推移が続いている。リスク緩和策としては、USD/INRのコールオプション購入、またはフォワードのロング(買い)を活用し、ルピー安局面の恩恵を取り込む戦略が考えられる。
最後に、足元のインド成長は依然として非常に強いものの、国内政策の引き締めにより、次年度は成長率が6.8%程度へ減速すると見込む。この減速見通しは、年後半にかけて株式市場のラリーが上値の重い展開となる可能性を示唆する。急な下落リスクに備えるため、株式ポートフォリオについてはNifty 50のアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)・プットオプションの購入によるヘッジを推奨する。
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