AUD/JPYは水曜日に110.55近辺で推移し、当日ではほぼ横ばいとなった。日豪両国の金融引き締め見通しが変化するなか、相場は方向感を欠いた。エネルギー価格の上昇も日本にとって材料で、燃料輸入への依存度が高い日本では輸入額を押し上げ、貿易収支の悪化圧力につながり得る。
焦点は金曜日の日本銀行の決定に移る。市場では、政策金利を1%から1.25%へ引き上げる25bp(ベーシスポイント)の利上げを完全に織り込んでいるとみられ、実現すれば1995年4月以来の高水準となる。その後はフォワードガイダンスと、12月に追加利上げが行われる可能性に注目が集まる。これらは円相場に影響し、クロスの上値を抑える要因となり得る。豪州では、豪準備銀行(RBA)がそれまでの3回の利上げ後、直近3会合は政策金利(オフィシャル・キャッシュレート)を4.35%に据え置いている一方、RBAレートトラッカーは次回会合で4.6%へ引き上げられる確率を約78%と示唆している。
中央銀行判断をにらんだデリバティブ戦略
AUD/JPYが足元で110.55近辺で保ち合うなか、デリバティブ投資家には、ロング・ストラドルまたはストラングルといったオプション戦略を用い、ボラティリティのブレイクアウトに備えることを推奨する。日銀とRBAはいずれも重要な政策判断を控えており、過去の傾向として通貨は急変動を起こしやすい。両中銀会合後まで満期が残るコールとプットを同時に購入することで、上下いずれかに大きく動いた場合の収益機会を狙える。
取引シナリオ:日銀のタカ派度合い vs. RBAへの期待
日銀が今週金曜日に想定通り25bp利上げを実施し、政策金利が1.25%となれば、借入コストは1995年4月以来の高水準に達する。植田総裁の記者会見を注視する必要があり、12月の追加利上げを示唆する発言があれば、円の大幅上昇を誘発する可能性が高い。こうしたタカ派シナリオに備えるには、短期のAUD/JPYプットを買い、下方向の値動きを取りにいく戦略が考えられる。
一方で、豪ドルの底堅さも軽視できない。市場指標はRBAが4.60%へ利上げする確率を78%織り込んでいる。また、日本はエネルギー輸入依存度が高く、中東情勢の緊張を背景に上昇してきた原油高の影響を受けやすい。足元では貿易赤字が拡大していることもあり、円は原油高局面で相対的に脆弱になりやすい。このため、金曜日に日銀が市場の期待に届かない内容となった場合の上昇局面に安価にエクスポージャーを取る手段として、アウト・オブ・ザ・マネーのAUD/JPYコールを買う戦略が有効だ。
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