原油価格の急騰がインフレ懸念を再燃させ、米連邦準備制度理事会(FRB)が今週、2023年以来となる利上げに踏み切る可能性があるとの見方を強めたことを受け、金は下落した。米国債利回りの上昇とドル高も下げを加速させ、市場参加者は水曜日の決定を前にポジションを縮小した。
FRBのタカ派化を織り込む動きの多くは足元の水準に反映されているとみられるものの、当局者が「金利は高水準で長期化する」との姿勢を示せば、地金は引き続き上値を抑えられる可能性がある。一方で、地政学リスクの長期化や、高止まりするエネルギー価格が景気を下押しするとの懸念は、需要を下支えし続ける公算が大きい。
短期のボラティリティとヘッジ戦略
FRBが2023年以来となる利上げに踏み切る可能性があることから、デリバティブ取引を行う投資家には、金のプットオプションを活用して短期的なボラティリティに備えることを推奨する。今月、ブレント原油が急伸してエネルギー価格を押し上げたことでインフレ懸念が再燃し、米10年債利回りは4.3%近辺まで上昇している。足元で金のロングをヘッジしておけば、FRBが明日の会合で市場予想を上回る利上げに踏み切り、ドル高が進んだ場合でも、ポートフォリオの防御につながる。
もっとも、このタカ派リスクの多くはすでに市場に織り込まれているとみられる。真の焦点は、FRBが公表する最新の経済見通し(SEP)にある。政策当局者が「金利は高水準で長期化する」と示唆すれば、金先物は急落して1オンス=2,400ドル前後の重要サポート水準を試す展開になり得る。投資家は短期のプットオプションを買い、下振れ局面での収益機会を狙うべきだ。
長期見通しと戦略的ポジショニング
ただし、地政学リスクの継続や高止まりする原油価格は、貴金属市場に強い下値支持を提供し続ける点を忘れてはならない。過去を振り返ると、金は利上げサイクルがピークアウトした後に力強く反発する傾向があり、2008年以降の景気回復局面や、2010年代半ばの利上げ局面でも同様の動きが確認された。利上げ判断が通過した後に訪れ得る反発局面を取り込むため、満期の長いコールオプションのロングに資金の一部を配分し、戦略的に保有を継続することを提案する。
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