台湾の8月CPIは前年同月比2.0%上昇となり、ブルームバーグ予想(2.4%)を下回り、7月の2.5%から減速した。食品インフレの鈍化を背景に、総合インフレ率は中華民国中央銀行(CBC)の目標である2%近辺へと回帰した。コアCPIも2.3%に低下し、予想(2.5%)および前月(2.4%)を下回ったものの、CBCが2026年に見込む1.9%を4カ月連続で上回っており、基調的な物価圧力に引き続き注目が集まっている。
金融政策を巡る議論の焦点は、9月17日の理事会でCBCが政策金利を12.5bp引き上げて2.125%とするかどうかに移っている。景気環境が成長を維持しているため、インフレリスクへの警戒を継続しやすい状況だ。為替市場ではUSD/TWDは31.55近辺と、約3カ月ぶりの安値圏。31.30~31.80のレンジ内でのもみ合いが見込まれる。円高は台湾ドルの下支え要因となる一方、原油高が台湾ドル上昇を抑制している。海外投資家は直近2営業日で台湾株をネットで42億ドル買い越した。加権指数(Taiex)の年初来上昇率は62.6%で、韓国のKOSPI(65.0%)に次ぐ。
レンジ相場のFX市場に向けたデリバティブ戦略
今後数週間のUSD/TWDはタイトなレンジ取引になりやすいと見込み、31.30~31.80のコリドーを主戦場として想定する。8月の総合CPIは2.0%へ減速した一方、コアインフレは2.3%と粘着的で、中銀目標をなお大きく上回る。堅調な経済成長に支えられた基調的な物価圧力を踏まえると、9月17日の中銀会合では12.5bpの利上げにより政策金利が2.125%に引き上げられる可能性が高い。
ボラティリティ売りと主要ドライバー
このもみ合い局面を前提に、31.30~31.80のレンジ内でショート・ストラングルやレンジ型のダブル・ノータッチを用いたボラティリティ売りを推奨する。過去データでは、四半期ごとの中銀判断を前にUSD/TWDのボラティリティが大きく低下する局面が多く、とりわけ巨額の株式資金流入が通貨の緩衝材となる場合に顕著だ。足元でも海外資金の流入が続いており、トレーダーはプレミアム収益の獲得を狙いやすい。
併せて、主要な外部要因の点検も必要だ。とりわけ原油は1バレル73ドル近辺で推移しており、エネルギー輸入依存度の高い台湾では、歴史的に原油高が台湾ドル高の上値を抑えやすい。一方、対ドル141円近辺で推移する円の底堅さは、台湾ドルに下値支持を与え続ける見通しだ。短期のオプション戦略を用いることで、域内要因の綱引きを収益機会として捉えつつ、リスク管理を徹底しやすい。
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