金は水曜日、米ドル安を追い風に3日続落に歯止めをかけて反発した。ただ、上昇は4,400ドル近辺で伸び悩み、金は先に約1週間ぶり安値となる4,341ドル前後を付けていた。ドルの反落は円の急伸を受けたもので、ドル円(USD/JPY)は153.40近辺。米ドル指数(DXY)は98.61前後と約0.25%低下し、8月21日以来の安値水準に接近した。一方、湾岸地域での米国とイランの報復の応酬を受けたエネルギー価格の上昇が、地金の戻りを抑制した。報道ではイランの原油タンカー5隻が破壊され、その後イランが海上目標に攻撃を実施したとされる。
WTI原油は1バレル=93.50ドル近辺で推移し、6月8日以来の高値圏。週初来では約4.80%高となっており、インフレの粘着性と金利高止まり懸念を強めている。米10年債利回りは4.80%前後と、2023年11月以来の高水準。CMEのFedWatchツールは、来週の会合で25bp利上げとなる確率を60%と織り込む。ADP統計では、8月22日までの民間雇用者数は週平均で1.2万人増(従来の修正後1.0万人、当初値1.175万人)となった。市場の関心は木曜のPPI、金曜のCPIに加え、15:00GMTに公表予定の国債買い戻しプログラムの詳細に移っている。テクニカル面では、XAU/USDは200期間SMAの4,356ドルを上回って推移し、50期間SMAの4,415ドルが上値抵抗として意識される。RSIは47、MACDは小幅マイナス。注目水準は上値が4,489ドル、4,550ドル、4,700ドル、下値の支持が4,200ドル近辺。
デリバティブのポジショニングとFRB政策見通し
デリバティブ取引参加者は、金が重要な4,400ドル近辺で持ち合うなか、向こう2週間にボラティリティが高まる局面に備えるべきだ。9月15-16日のFOMCで利上げとなる確率が60%とされるなか、金オプションのプライシングは大きな方向性の動きを織り込んでいる。当社としては、相場が上下いずれに振れてもブレイクで収益機会を狙えるよう、金(XAU/USD)の短期ストラドルの買いを推奨する。
ホルムズ海峡での軍事的緊張の高まりによりWTIは週初来4.8%上昇して93.50ドルまで上伸しており、歴史的にこれは貴金属にとって「諸刃の剣」となり得る。地政学リスクは通常、安全資産需要を喚起する一方、エネルギー由来のインフレがFRBに高金利の長期化を迫る可能性がある。1970年代後半のオイルショックのような過去事例では、エネルギーコストの急騰が最終的に積極的な利上げを招き、金の上値を一時的に抑え込んだ局面があった。
テクニカル水準とイベントドリブンの取引戦略
テクニカル的には、200期間単純移動平均の4,356ドルをロングの「分水嶺」として注視したい。金がこの水準を割り込む場合、4,200ドルのサポートゾーンをターゲットにアウト・オブ・ザ・マネーのプットオプション購入を推奨する。反対に、50期間移動平均の4,415ドルを上抜けるなら、4,550ドルを目標とするコールオプション購入が正当化される。
木曜のPPI、金曜のCPIは、来週のFRB決定を前にした最終的な材料になり得る。過去には、米コアインフレのサプライズが発表当日に金価格を1.5%~2%程度振らすケースが見られた。これら指標の前には総合的なリスク量を抑え、オプション・プレミアムの急速なタイムディケイを緩和できるバーティカル・スプレッド戦略に重点を置くべきだ。
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