USD/CHFは週明け月曜、米ドルが上値の重い展開が続くなかで下押し基調となり、幅広い円高が市場の地合いを左右した。ペアは日中高値0.8110から押し戻され、0.8091近辺で推移した。ほかではUSD/JPYが154.40近辺まで下落し、約6カ月半ぶりの安値圏に沈んだほか、米ドル指数(DXY)は98.90前後と2週間ぶり安値付近で推移した。中東情勢の緊迫化と原油高がインフレ警戒を強め、先週金曜の堅調な米雇用統計と相まって、米PPI・CPIの発表および9月15〜16日の米連邦準備制度理事会(FRB)会合を前に、追加利上げ観測が意識される展開となっている。
スイスフランは、ドル軟化の恩恵を十分に享受しきれず、キャリートレードの力学や金融政策スタンスが需要を方向付けた。日銀(BoJ)の追加引き締め観測を背景に、資金調達通貨としての円の魅力が低下するとの見方が広がるなか、政策金利0%のスイス国立銀行(SNB)を擁するフランへ注目が移りつつある。ただし、急激なフラン高を抑えるためにSNBが介入に踏み切る可能性が意識され、上値は抑制されやすい。テクニカル面では、USD/CHFは50日移動平均線(SMA)付近の0.8091近辺を維持し、100日線と200日線が引き続き基調を下支え。RSIは51近辺、MACDは小幅ながらプラス圏にとどまった。上値抵抗は0.8150および0.8200、下値支持は0.8000と200日SMAの0.7935近辺。
Volatility Outlook and Strategy in USD/CHF
当社は、USD/CHFが50日SMA(0.8091)近辺でタイトに持ち合っていることから、デリバティブ取引ではボラティリティ拡大局面への備えが必要とみる。歴史的に、USD/CHFの1カ月インプライド・ボラティリティは6.5%前後で推移する一方、重要な米インフレ指標やFRB会合を控えた数日間には1.5〜2.0ポイント上振れしやすい。今週は米CPI・PPIの発表が予定され、さらに9月中旬のFRB会合を控えることから、短期のストラドルまたはストラングルを買うことで、上下いずれか方向への急変(ブレイクアウト)から収益機会を狙える。
Positioning and Risk Management
別案として、FRBとSNBの金利差拡大を見込み、ブル・コール・スプレッドなどの構造化戦略で上昇余地を取りにいくことも検討できる。FRBの利上げ余地はエネルギー価格の上昇によって強く後押しされる一方、SNBは政策金利0%を維持している。この鮮明な対比により、フランはキャリートレードの主要な調達通貨となりやすく、世界の投資家が利回りを求める局面では、歴史的にフラン高余地が限定されやすい。
下方リスク管理としては、心理的節目の0.8000が100日SMAによって強く補強されている点に留意したい。加えて、SNBが為替介入に積極姿勢を示していること、外貨準備が過去に7,000億スイスフラン(CHF)を上回った実績があることを踏まえると、0.7935を持続的に下回る展開は起こりにくい。0.7950以下のアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)プットを売却することで、SNBの暗黙の下支えを“盾”にプレミアム獲得を図る戦略が有効となり得る。
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