トルコ共和国中央銀行(CBRT)は8月下旬に週次レポ入札を開始し、流動性環境の正常化に動いた。これにより実効調達コストおよびTLREF(トルコ・リラ参照金利)は40%から政策金利である37%へ低下し、市場の資金調達コストが公式ベンチマークにより近く整合する形となった。
INGは、CBRTが今週木曜日の9月会合で金利を据え置くと予想する。その後、第4四半期に100bp(1.00%)の利下げを2回実施し、政策金利は35%になるとの見通しだ。これは、4-6月期GDPが想定を下回ったことや、インフレのモメンタムが段階的に鈍化していることを背景としている。湾岸地域の紛争がエスカレートした場合はインフレ上振れリスク要因と位置付けられる一方、政策金利は2026年末時点でも35%が想定されている。
金利デリバティブとイールドカーブのポジショニング
当社は、中央銀行が流動性運営を正常化する局面では、トルコ・リラ(TRY)イールドカーブの下方シフト(利回り低下)を見込むポジションが有効だと考える。足元のデータでは、TLREFはすでに37%の政策金利に整合しており、従来の40%近辺の高水準から低下した。この変化は、金融引き締めサイクルのピークが通過した可能性を示し、金利デリバティブでの機会を示唆する。
想定される緩和サイクル入りに先立ち、現在の高水準の利回りを確保するため、受け(レシーバー)の金利スワップ(IRS)を推奨する。直近の4-6月期GDP成長率が2.5%にとどまるなど景気減速が見られる中、中央銀行には利下げ開始の国内要因がある。いまのうちに固定受けレートをロックインしておけば、年末にかけて政策金利が当社予想の35%へ低下する局面で恩恵を得やすい。
FXオプション戦略と短期金利見通し
FXオプション市場では、高いTRY金利のキャリーを取りつつテールリスクを抑える、ストラクチャード型のキャリートレード戦略の活用を提案する。金利が35%であっても利回りクッションは依然として大きい一方、湾岸地域の地政学リスクの高まりは原油価格を押し上げ得る。エネルギー輸入依存のトルコ経済には逆風となり、外生的なインフレショックを通じて通貨が急落するリスクがある。アウト・オブ・ザ・マネーのUSD/TRYコールオプションを購入することで、こうした突然の通貨下落に対するヘッジとなる。
短期運用(ブックラン)向けには、9月10日の政策決定会合を前にオーバーナイト・レポ先物は中立スタンスを推奨する。中央銀行は、直近の流動性供給のラグ効果を見極めるため、政策金利を37%で据え置く可能性が高い。この一時的な停止局面は、最初の100bp利下げが現実化する前に、2〜3カ月物のテナーでレシーバー・ポジションを積み上げる戦略的な時間帯となる。
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