要点
- クラトス(Kratos)の株価は57.17ドル。当日は+1.76%だが、過去1週間では-13.38%。防衛関連株は値動きが大きい。
- 時価総額は107.3億ドル。52週レンジは43.09〜134.00ドル。
- 売上高は前年同期比+18.53%、1株当たり利益(EPS)は+23.33%。株価調整の一方で、事業の伸びは続く。※EPSは「利益を発行済み株式数で割った指標」。
- 2026年通期の売上見通しを17.5億〜18.1億ドルに引き上げた。
- アナリスト平均目標株価は105.62ドル。KTOSは約85〜90%が「買い」。
- 受注残(バックログ)は20億ドル超、提案案件(パイプライン)は150億ドル規模。長期の成長を支える。※バックログは「受注済みで未計上の売上」、パイプラインは「提案・交渉中の案件の見込み」。
- 現在配当はないため、権利落ち日(配当の権利がなくなる日)はない。収益目的より成長重視の銘柄。
クラトス株(Kratos Stock)とは
Kratos Defense & Security Solutionsの株価は2026年8月23日時点で57.17ドル。当日+1.76%だが、過去1週間で-13.38%。KTOSは、国家安全保障費、無人システムの導入、政府契約の獲得、提案案件を実際の予算付きプログラムに変えられるかに左右される。
本稿は、防衛セクターと成長株を追う投資家向けに、足元の株価水準、過去のリターン、バリュエーション(株価の割安・割高を測る指標)、事業セグメント、アナリストの見方、直近の値動き、今後の注目イベント、主なリスク、売買時のポイントを整理する。契約獲得や予算の変更で見方が急変しやすいだけに、何が株価を動かすのかを押さえることが重要だ。
クラトス株価(KTOS): きょうの株価、時価総額、主要指標

クラトスはナスダック市場にKTOSとして上場している。現在の株価は57.17ドルで、24時間では+1.76%。一方、直近1週間では-13.38%と下落しており、防衛・安全保障関連株に典型的な短期の振れが出ている。
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 現在値 | $57.17 |
| 24時間変化 | +1.76% |
| 日中レンジ | $55.25 – $60.09 |
| 52週レンジ | $43.09 – $134.00 |
| 出来高 | 約400万〜500万株 |
| 時価総額 | $10.73 billion |
| 市場 | Nasdaq |
同社は航空宇宙・防衛セクターに属し、防衛・国家安全保障向けのプログラムが中心。株価の日中変動は、全体相場のムード、防衛関連ニュース、契約発表、決算の上振れ・下振れ、地政学リスク(国際情勢の緊張)などで、宇宙・サイバー・無人システムへの支出配分が変わることに影響を受けやすい。
企業概要:Kratos Defense & Security Solutions, Inc.
Kratos Defense & Security Solutions, Inc.は、国家安全保障向けに重要装備やサービスを提供する企業。本社は米カリフォルニア州サンディエゴ。1994年設立で、従業員は約4,300人。CEOのエリック・デマルコ氏の下、政府向けと無人分野の両方で成長を進めてきた。
事業は大きく2部門。
Kratos Government Solutions(KGS)
KGSは、衛星の運用(指揮・管制)に使う地上システムのソフト化・仮想化(複数の機能をソフトでまとめる仕組み)、マイクロ波の電子機器、訓練ソリューション(拡張現実=現実映像に情報を重ねるAR訓練など)、指向性エネルギー(レーザー等で目標にエネルギーを集中させる技術)、指揮・管制インフラを国家安全保障機関向けに提供する。機密性の高い機関向けの案件も含む。さらに、情報収集・監視(インテリジェンス/サーベイランス)の通信需要、無線設備、宇宙関連の機体なども支える。
無人システム
無人システム部門は、無人航空機、無人地上車両、無人艇などを扱う。戦術ドローン、対ドローン(無人機への対処システム)、試験・訓練用の標的ドローンなどが中心で、現代の軍事運用に直結する。
| 部門 | 主な製品例 | 主な顧客 |
|---|---|---|
| Kratos Government Solutions(KGS) | マイクロ波電子機器、衛星通信、仮想化地上システム、サイバー防衛(攻撃から守る仕組み)、訓練シミュレーター | 米国防総省(DoD)、海外の政府機関、国家安全保障機関 |
| 無人システム | 戦術ドローン(Valkyrie)、標的ドローン、自律型の地上/海上プラットフォーム | 米軍の試験・訓練施設、海外の商用顧客、同盟国政府 |
クラトスは、防衛関連の統合型プラットフォーム企業と競合する一方、低コストで開発を早めやすい無人システムや電子機器に強みがある。売上の大半は米国だが、北米の一部地域、アジア太平洋、中東にも展開している。
クラトス株の値動き:KTOSのパフォーマンス
投資家は過去の推移から、値動きの大きさ、リスク、S&P500などとの比較を行う。KTOSの直近のリターンは期間によって濃淡がある。
| 期間 | KTOSのリターン | S&P 500のリターン | 相対比較 |
|---|---|---|---|
| 2026年初来(YTD) | +24.69% | +12.11% | 約+12.5pt上回る |
| 1年 | +11.75% | +20.47% | 約-8.7pt下回る |
| 3年 | 約+274.9% | +74.4% | 大幅に上回る |
| 5年 | +160.22% | 約+75〜80% | 上回る |
上昇の背景は、Valkyrieなど無人システムの拡大、国家安全保障支出の増加、両部門での受注残の積み上がり、研究開発(R&D)投資が一定の成果を出し始めたことによる収益性の改善。売上高は前年同期比+18.53%、EPSは+23.33%で、実需に基づく伸びといえる。
一方、株価は52週高値の134.00ドルから57ドル近辺まで大きく調整した。2000年3月6日にはITバブル期に過去最高値1,635.00ドルを付けたこともあり、設備投資サイクル(投資の増減の波)や利益確定売りで変動が出やすい。52週レンジの広さは、長期で上昇しても途中の急落が起き得ることを示す。
なぜKTOSは下落したのか:直近の調整要因
1週間で-13.38%(当日は小幅高)という動きは、単一要因よりも複数の重なりで起きやすい。年初来上昇後の利益確定、割高銘柄からの資金移動、過去実績ベースの株価収益率(P/E)が高いことへの警戒、アナリスト見解の温度差(強気は維持しつつ目標株価を下げる動き)などが考えられる。これは企業価値そのものの崩れというより、成長期の防衛銘柄にありがちな短期のブレだ。
企業業績、株価水準、適正価値(フェアバリュー)の見方
適正価値(フェアバリュー)は、利益、フリーキャッシュフロー(事業で稼いだ現金から設備投資などを差し引いた手元資金)、成長見通し、同業比較などで推計する。市場価格と比べることで割高・割安の判断材料になる。
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 時価総額 | $10.73B |
| 予想ではないP/E(実績P/E) | 約330倍 |
| 予想P/E(先行きP/E) | 約60〜90倍 |
| PSR(株価売上高倍率、TTM) | 約6〜8倍 |
| PBR(株価純資産倍率) | 約3〜5倍 |
| 利益率(直近12カ月) | 2.03% |
| アナリスト平均目標 | $105.62 |
| 目標レンジ | $60 – $150 |
FY26第2四半期の売上高は4億5,880万ドル、同四半期の純利益(税金などを差し引いた最終利益)は440万ドル。2026年通期の売上見通しを17.5億〜18.1億ドルに引き上げ、成長への自信を示した。FY2025は売上高約13.47億ドル、純利益は約2,200万ドル。
実績P/Eが高いのは、R&Dや生産増強、新しい装備への投資負担が大きいため。具体的には、ロケット関連、打ち上げ関連、推進(エンジン)関連、超音速(高速)関連のシステムなど、ミサイル防衛向けの新規分野に資金を振り向けている。短期的には利益率を押し下げるが、将来の利益拡大を狙う。財務面では、負債と自己資本の比率(D/E:借入依存度)が低く、流動性(すぐ使える資金)も確保していることが、大型の政府契約を取りに行く上で重要になる。SEC提出書類(米証券当局への開示)でも、株主還元より生産能力への再投資を優先している。
クラトス株価を動かす事業要因
株価は需給だけでなく事業の材料に左右される。米国および同盟国の国家安全保障予算、とくに宇宙・サイバー・無人分野の配分は、複数年の売上の見通しにつながる。クラトスの受注残は20億ドル超、提案案件は150億ドル規模で、一部でも予算化され契約に至れば上振れ余地がある。
Kratos Government Solutionsは、衛星インフラ、宇宙空間の監視(宇宙領域把握:Space Domain Awareness)関連、マイクロ波電子機器などで複数年契約が多く、売上を下支えしやすい。極超音速(非常に高速)機の試験支援、徘徊型弾薬(上空で待機して攻撃する兵器)の誘導、指揮・管制(Command-and-Control:部隊や装備を指揮し状況を管理する仕組み)など、防衛費が増えやすい領域に関わる。
成長の中心は無人システム。ジェットエンジンや戦術ドローンの量産体制を拡大し、2026年の設備投資は1.25億〜1.35億ドルを計画。GEとのJASSM向けエンジン案件も進み、ミサイル防衛の推進分野で存在感を広げた。宇宙関連機体、対ドローン、地上配備の指向性エネルギー(レーザー等)への需要もパイプラインを支える。ラウンドロックやオクラホマシティの拠点活用も検討し、商用向けも含めた量産を視野に入れている。
アナリストの見方:KTOSは買いか
2026年8月13日時点で、アナリストはKTOSを総じて「買い」とみている。評価は23件で、多くが買い推奨。平均目標株価は105.62ドル、最高は150.00ドルで、現値57ドル近辺から上値余地が意識されている。
| 評価 | 比率 | 概要 |
|---|---|---|
| 買い/強い買い | 約85〜90% | 成長と受注残の売上化に強気 |
| 中立(保有) | 約10〜15% | 短期の株価水準と実行リスクを警戒 |
| 売り | 約0% | 売り推奨はほぼない |
直近では、Canaccord Genuityが目標を135ドルに引き上げた一方、ゴールドマン・サックスは89ドルへ引き下げた。提案案件をどれだけ早く売上に変えられるかで見方が分かれている。
クラトス株(KTOS)の売買方法
KTOSはナスダックで米国市場の通常取引時間に売買する。値動きが大きくなりやすいため、決算発表や契約ニュースの前後は、成行ではなく指値注文(価格を指定する注文)が使われやすい。長期投資は受注残の増減や適正価値の見立てを重視し、短期は契約獲得や防衛予算のニュースで反応しやすい。
今後の注目イベントとリスク
短期では材料で株価が動きやすい。長期の基調が崩れていなくても、イベント次第で振れが大きくなるため、いくつかのポイントを確認したい。
注目は次回決算(2026年11月上旬見込み)、ミサイル防衛や無人システムでの大型契約の時期、米議会の国防予算の決定。配当はないため、権利落ち日は発生しない。
プラス材料
- 市場予想を上回る決算
- KGSまたは無人システムで複数年契約を獲得
- 防衛技術へのR&D資金を増やす法整備
- 戦術ドローンや宇宙関連機体の量産拡大が順調に進む
- 150億ドルの提案案件の一部が契約化
注意点
防衛費の減額や計画の遅れ、サプライチェーン(調達網)の混乱による電子部品やドローン部品の不足、大手防衛企業との競争激化は見ておきたい。量産拡大でのコスト増や新製品の投入遅れが出れば、短期的に利益率の重しになり得る。ポジション量はリスク許容度に合わせたい。
VT Marketsでクラトス(Kratos)を取引する方法
VT Marketsでは、株式や株価指数のCFD市場を追うためのツールや取引プラットフォームを提供している。※CFDは「差金決済取引」。現物を持たず、価格差で損益が決まる。
MetaTrader 4(MT4)、MetaTrader 5(MT5)などを利用でき、高速執行やチャート分析に対応する。決算や契約ニュースで株価が動く局面では、こうした機能が役立つ。
取引が初めてなら、デモ口座で練習できる。実資金を使わず、株価急変時の対応をシミュレーション可能。準備が整えば、リアル口座を開設し、世界で注目度の高い市場のCFD取引にアクセスできる。教育コンテンツとしてVT Markets Discoverも用意されている。
クラトス株価に関するよくある質問
現在のクラトス株価は?
2026年8月23日時点でKTOSはナスダックで1株57.17ドル程度。時価総額は107.3億ドル。
なぜKTOSは下落したのか?
当日は小幅高でも、過去1週間で-13.38%。年初来上昇後の利益確定、セクター内の資金移動、実績P/Eの高さへの警戒が重なった可能性が高く、特定の単発材料というより需給と評価の調整とみられる。
KTOSは買いか?
実績P/Eは300倍超と高い一方、アナリスト平均目標株価は105.62ドルで、約85〜90%が買い。受注残を売上に変える力と利益率の改善が重要になるため、値動きの大きさを許容できる成長志向の投資家向きといえる。
クラトスは配当を出しているか?
配当はない。フリーキャッシュフローはR&Dや生産設備、新規分野への投資に回しているため、権利落ち日はない。