USD/CNHは先週の急落後、もみ合い局面に入り、現水準では人民元需要の勢いが鈍化している。中国人民銀行(PBoC)はUSD/CNY基準値の切り下げペースを緩めており、これが人民元高のモメンタム鈍化と重なって、短期的には同通貨ペアを下支えしている。
地政学リスクにも注目が集まる。米国による対イラン制裁の新たな段階は、米中の経済的デタント(緊張緩和)に波及する可能性への懸念を高めている。INGの基本シナリオでは、ドルは緩やかに上値の重い地合いが続く見通しで、USD/CNYは今後数カ月かけて6.70近辺へじり安となることが想定される。
レンジ相場環境でのデリバティブ戦略
今後数週間、USD/CNHはレンジ内でもみ合う局面に備えることをデリバティブ投資家に提案したい。PBoCが足元でUSD/CNY日次基準値の切り下げペースを抑制していることを踏まえると、ドルの積極的なショートは短期的に抵抗に直面し得る。為替レートの安定局面でプレミアム獲得を狙う戦略として、ショート・ストラドルやアイアン・コンドルなど、中立的なオプション戦略の活用を推奨する。
中期的な人民元高に向けたポジショニング
数カ月先を見据えると、基本シナリオは引き続き「米ドル安が最終的にUSD/CNYを6.70近辺へ押し下げる」というものだ。この緩やかな下落に備える手段としては、満期3〜6カ月のUSD/CNHプットオプションの購入を選好する。これにより、人民元の中長期的な上昇からの収益機会を狙いつつ、米・イランを巡る地政学リスクに起因する一時的な上振れからポートフォリオを防御できる。
過去データでは、中央銀行が通貨を強く管理する局面—2023年後半の市場変動時に見られた重要な防衛水準に近い状況—では、人民元はトレンド再開の前にいったんレンジ内での推移になりやすい。日次基準値と市場レートの乖離を注視すべきで、両者のギャップ縮小は当局がさらなる人民元高を許容しているシグナルとなる。それまではレバレッジを抑え、静かな取引環境を活用した利回り上乗せ策としてストラクチャードノートの活用を推奨する。
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