EUR/USDは1.1700をわずかに上回る水準まで上昇し、約3カ月ぶり高値を更新した。米財務省が、国債買い戻し(デット・リパーチェス)の1回当たりの上限額を現行の20億ドルから少なくとも40億ドルへ倍増させると発表し(9月9日付で適用)、米ドルが軟化したことが背景。今回の動きは、火曜日に30年債利回りが5.327%(2007年6月以来の高水準)に達した後、約9bp低下した流れに続くものとなった。その後、注目はS&PグローバルのPMIへ移った。ユーロ圏では製造業PMIが51.9から52.8へ改善、サービス業は51.7で横ばい、総合は52.1。米国では製造業が53.9から53.2へ低下した一方、サービス業は54.6から56.8へ上昇、総合は54.5から56へ上昇し、予想の54を上回った。
今後の発表予定には、独4-6月期GDP、米7月PCE価格指数、米4-6月期GDP改定値(第2次推計)に加え、FRBカンザスシティ連銀主催のジャクソンホール会議(テーマ:「金融イノベーション:決済と政策への示唆」)が含まれる。米労働統計局(BLS)は、3月までの12カ月を対象とする雇用統計(NFP)の年次ベンチマーク改定も公表する。テクニカル面では、EUR/USDは20日SMA(1.1542)、100日SMA(1.1573)、200日SMA(1.1631)を上回って推移し、RSIは71。主要サポートは1.1631、次いで1.1570近辺。レジスタンスは1.1710、1.1800、1.1850付近に位置する。
デリバティブ取引戦略と市場ポジショニング
当社は、EUR/USDが直近で1.1700を上抜けたことを踏まえ、デリバティブ・トレーダーは上昇モメンタムの継続に備えるべきだと考える。200日移動平均(1.1631)に強いテクニカルサポートが確認できるため、1.1800のレジスタンス帯を狙ったブル・コール・スプレッドの構築が選択肢となる。この戦略は、強気トレンドを取り込みつつ、急な反転局面でのリスクを限定できる。
米財務省が9月9日から国債買い戻しの上限を40億ドルへ倍増させる決定は、長期金利を抑制し、米ドルをさらに押し下げる可能性が高い。2000年代初頭の財務省買い戻しプログラムの局面では、国債利回りが大きく低下し、ドルには強い下押し圧力がかかった経緯がある。当社は、今後数週間の流動性供給を見込み、米ドル指数(DXY)の短期プット・オプション購入による収益機会を提案する。
ジャクソンホール会議と米PCEインフレ指標を控え、市場ボラティリティの上昇が見込まれる。方向にかかわらず大きな値動きを捉えるため、EUR/USDでロング・ストラドルの構築を検討したい。通貨オプション市場では、主要中銀イベントの前にインプライド・ボラティリティが上昇しやすく、事前のボラティリティ・ポジションは魅力が高い。
中東情勢の緊張と、イランに対する追加制裁の可能性がエネルギー価格を押し上げている。内在的なインフレ圧力へのヘッジとして、ブレント原油のコール・オプションでロングを推奨する。地政学的な膠着が長期化する局面では原油価格が大きく上昇しやすく、このコモディティ・プレーを下支えするとみられる。
リスク管理とプロテクティブ戦略
週足では強い強気バイアスが示唆される一方、日足のRSIは足元で71近辺にあり、買われ過ぎを示す。保有するロングポジションの防御策として、1.1570のサポートゾーン近辺の権利行使価格を想定したアウト・オブ・ザ・マネーのプロテクティブ・プット購入を検討したい。これにより、独4-6月期GDPや米雇用統計の改定が一時的な下押し調整を誘発した場合でも、ポートフォリオを保護できる。
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