
銅価格は1ポンド当たり6.5ドル近辺で横ばいとなった。在庫面の需給ひっ迫が和らぐ一方、現物の供給が引き締まっていることが下支え要因となった。ロンドン金属取引所(LME:非鉄金属の国際的な先物取引所)の指定倉庫への直近の搬入が増え、足元の品薄懸念が後退したことで、銅の急騰後に利益確定売りが出た。
ただ、供給の先行きは引き続き強材料が多い。世界最大の銅生産国チリでは、操業の混乱が続いており、今後の生産量への懸念が消えていない。加えて米ドル安が進み、商品市況全体の下押し圧力を和らげた。
注目点
- 銅は6.54ドル近辺で推移。8月上旬の高値から調整した後、供給不安の後退と供給不足の継続を見極める動きの中で落ち着いた。
- LME指定倉庫への搬入増で足元の供給ひっ迫懸念は和らいだ。一方、チリの生産リスクと米ドル安が価格を支えた。
- 目先の上値目標は6.60ドル(上値抵抗線)、下値の目安は6.40ドル(下値支持線)。RSI(相対力指数:買われ過ぎ・売られ過ぎを示す指標)とMACD(移動平均収束拡散:トレンド転換を示す指標)からは、短期の勢いが弱まっていることが示唆される。
注目される理由
銅は、世界の製造業やインフラ需要、電化の長期トレンドに連動しやすい代表的な工業用金属だ。価格は、現物の需給、景気見通し、為替動向の変化に左右されやすい。
足元の軟調さは、取引所指定倉庫での在庫が出回りやすくなったことが背景にある。数カ月にわたる在庫流出や、関税(輸入品に課される税)を見越した金属の米国向け振り替え懸念があったが、LMEへの搬入増で現物市場の逼迫が和らぎ、直近の供給不足への警戒が後退した。
一方で、中長期の供給不安は残る。最大生産国チリでは、鉱山の操業混乱や開発の遅れで生産に課題があり、将来の需要を満たせるだけの供給増が実現するかが焦点となっている。
米ドル安も支援材料だ。銅はドル建てで取引されるため、ドルが弱含むと他通貨の買い手には割安感が出やすく、商品価格の下支えになりやすい。
当面の焦点は、今回の横ばいが下値支持線を維持できるか、そして指標面で勢いが落ち着くかだ。
主な売買水準
- 6.80ドル:直近の戻り高値で、上値の厚い抵抗帯
- 6.60ドル:目先の上値抵抗線
- 6.54ドル:現在の取引レンジ
- 6.40ドル:目先の下値支持線
- 6.30ドル:下値の節目(過去の持ち合い水準)
- 6.20ドル:下方向の目安
テクニカル分析

銅は6.54ドル近辺で推移し、8月上旬の高値6.80ドル近辺から調整した。上昇後に持ち合いとなり、6.40ドル近辺の下値支持線を上回っている。
RSI(14日)は55.73。中立水準の50は上回るが、RSIの移動平均(RSIを平滑化した線)である58.49を下回る。上昇の基調は残る一方、短期の買いの勢いは弱まっている。
MACDはゼロライン(強弱の分かれ目)を上回るため、回復基調は維持している。ただしMACD線がシグナル線(MACDの移動平均)を下回っており、短期の勢い鈍化を示す。
目先のレンジは、下値支持線の6.40ドルと上値抵抗線の6.60ドルの間。
6.60ドルを上抜ければ買いの勢い回復が示唆され、6.80ドルが再び意識されやすい。6.40ドルを下回れば短期の形が崩れ、6.30ドルが焦点となる。
上昇シナリオ
銅が6.60ドルを上抜け、その水準を維持できれば上昇シナリオが強まる。売り圧力をこなしつつ、6.80ドルの上値抵抗帯を目指す展開が想定される。
下落シナリオ
銅が6.40ドルを下回れば下落シナリオとなる。この水準割れは売り手優勢を示し、6.30ドルの下値支持線が視野に入る。
免責事項
今後の注目材料
チャート以外では、LME在庫の増減、世界の製造業需要、米ドルの変動、銅の供給に影響する事象が注目される。チリの生産状況、地政学リスク(国際情勢による市場変動要因)、商品市場全体の投資家心理も焦点で、足元の供給緩和が一時的か、それとも現物市場の安定につながるのかが問われる。
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COPPER-C.は、現物の銅を保有せずに価格変動へのエクスポージャー(価格変動の影響を受ける度合い)を得られる商品で、世界の商品市場の機会を追いやすい。
銅は、工業需要、供給障害、為替変動、景気動向に敏感なため、他の商品、通貨、市場全体の指標と合わせて観測されやすい。
VT Marketsのチャート機能で、支持線、抵抗線、勢い(モメンタム:価格変動の強さ)を確認し、次の局面に備えたい。
FAQ
銅価格はどうなっているのか?銅は6.5ドル近辺で横ばい。LME指定倉庫の在庫増で足元の供給不足懸念は後退した。一方、チリの生産課題など中長期の供給リスク、米ドル安が下支え材料となっている。
現物の銅と銅CFDの違いは?現物の銅は製造業や建設などで使われる金属そのもの。銅CFD(差金決済取引:現物を受け渡さず、価格差だけを現金でやり取りする取引)は、銅を保管せずに価格の上下を売買できる。
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