米国の新規失業保険申請件数は8月14日までの1週間で20万6,000件となり、市場予想(21万0,000件)を下回った。予想よりも新規申請が少ないことを示しており、短期的な労働市場の状況を測るうえでタイムリーな手掛かりとなる。
労働市場が示唆する点と金利見通し
米国の新規失業保険申請件数が20.6万件と、予想の21.0万件を上回る強さとなったことで、労働市場の底堅さが改めて確認された。当社では、この引き締まった労働指標を受け、FRBが9月会合で利下げに踏み切る必要性は当面低下するとみる。デリバティブ市場参加者は、景気減速が想定ほど進んでいない以上、金利が高止まりしやすい環境を念頭に置くべきだろう。
債券オプション領域では、長期金利上昇(債券価格下落)に備え、長期米国債ETFのプットオプション購入によるポジショニングを提案する。足元の10年米国債利回りは3.9%近辺で推移しているが、利下げ時期の後ずれが意識されれば、年初に見られた4.2%水準への回帰も十分あり得る。この取引は、近い将来の政策金利見通しの修正に伴う債券価格の下落から収益機会を得る狙いとなる。
資産クラス横断のデリバティブ戦略
株式デリバティブでは、目先の景気後退懸念が後退するにつれ、CBOEボラティリティ指数(VIX)は低下基調を辿ると見込む。ボラティリティ低下局面では、S&P500のアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)プットの売りにより、プレミアム獲得を狙う戦略を推奨する。過去の経験則では、週次の新規失業保険申請件数が20万件近辺で推移する局面では、消費の底堅さを背景に株式市場が下支えされやすい。
最後に、為替では米ドル指数のコールオプション買いが有望とみる。米国経済の堅調さが欧州の低成長と対比されるなか、ドルは相対的に魅力的な資産となりやすい。本戦略は、より高い米国金利を求める国際資金流入が続く場合に、ドル高(グリーンバック高)の恩恵を取り込むポジションとなる。
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