金(XAU/USD)はアジア時間に小幅安となり、木曜日序盤に6月初旬以来の高値を付けた後、4,500ドルを下回る水準で推移した。タカ派的なFOMC議事要旨を受けて米ドルが3カ月ぶり安値から持ち直したことが利益確定を誘発した一方、米国債利回りの低下が金の下値を限定した。7月28〜29日の会合議事要旨では、インフレの進展が改善しない限り近く利上げが必要となり得るとFRB当局者が指摘。直近7月のデータは物価の月次上昇が小幅であることを示したものの、インフレ率はFRBの目標である2%を依然上回っている。市場は2026年に少なくとも1回の利上げを織り込み続けており、中東情勢や米イラン対立に伴う原油連動のインフレリスクも米ドルを下支えしている。
ワシントンは対テヘラン圧力を強め、ドナルド・トランプ大統領は「最も強烈な経済作戦」を警告し、制裁回避を支援する国々への罰則も示唆した。ホルムズ海峡を巡る膠着が続くなか、戦争リスク・プレミアムが残存している。また米財務省は国債市場の支援に動き、9月から長期債の買い戻しを少なくとも倍増させる方針を示したことで、30年債利回りは2007年6月以来の高水準から低下した。テクニカル面では、XAU/USDは200日移動平均線およびフィボナッチ61.8%が重なる4,510〜4,515ドル付近で上値抵抗に直面。RSIは65.17、MACDはプラス圏。下値支持は4,404ドル、次いで4,295ドル、4,159ドル。上値メドは4,670ドル、4,869ドルが意識される。
レンジ相場の見通しとトレーディング推奨
2026年8月最終盤に向け、金は4,500ドル直下で持ち合いを形成しており、デリバティブ取引ではレンジ相場を想定した備えが必要とみられる。タカ派的なFRBスタンスと中東での地政学的緊張の高まりが米ドルの下支え要因となり、金の目先の上昇余地を抑えている。金が4,510〜4,515ドルの重要レジスタンスゾーンを明確に上抜けられない場合、短期的な戻り売り局面を探る戦略を推奨する。
債券市場の下支えとボラティリティに備えるオプション戦略
一方で、債券市場からの支援要因、とりわけ米財務省による流動性供給(流動性注入)の影響は見過ごせない。政府が9月から長期債の買い戻しを倍増させることで、国債利回りには低下圧力がかかりやすく、歴史的には利回りを生まない資産の追い風となる。トレーダーは、4,404ドルの強固なサポート水準に向けた調整局面で押し目買いのロング構築を検討したい。
直近のマクロ指標ではコアインフレの上振れリスクが粘着的で、市場はFRB利上げの確率を高めに織り込んでいる。金はエネルギー危機懸念の局面で優れた安全資産として機能してきた経緯があり、足元のホルムズ海峡を巡る緊張とも類似する。地政学ヘッドラインと財務省の施策が交錯する局面では値動きの急変が見込まれるため、ストラドルなどのオプション戦略でボラティリティを捉えることを提案する。
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