AUD/JPYは弱い豪雇用統計を受けて売りが先行したが、その動きは次第に一服し、クロスは前日の週次安値を上回って推移した。直近では112.75近辺で、小幅高となり、2日続落を断ち切った。豪統計局(ABS)によると、7月の失業率は前月の4.4%から4.5%へ上昇。一方、雇用者数は6月の+7.63万人から一転して▲1.58万人となり、市場予想(+1.5万人)を下回った。軟調な4-6月期CPI(消費者物価)と相まって、RBA(豪準備銀行)の早期利上げ観測は後退し、豪ドルの重しとなった。
RBAの引き締め期待は低調で、市場が織り込む政策金利パスでは、3カ月視点で利上げ幅は合計12bp程度にとどまっている。日本側では、7月の貿易統計で▲6,345億円の赤字が示されたことを受けて円が軟化したほか、日本の財政軌道への懸念や主要国との金利差も引き続き円安圧力となった。こうした要因が、今週つけた月間のスイング高値113.60からの反落後も、AUD/JPYの一段安を抑制した。
相反する材料の中でのレンジ戦略
今後数週間のAUD/JPYについて、相反するマクロ要因が上値を抑えやすいことから、デリバティブ取引では慎重なレンジ志向の戦略を推奨する。足元では112.75近辺で一時的な下支えがみられる一方、豪失業率が4.5%へ上振れしたことは短期的な上値余地を大きく制限する。弱い雇用指標に加えインフレ減速も重なり、RBAによる当面の利上げは実質的に織り込みから後退したとみている。
円の脆弱性とデリバティブ戦略
一方で、円はファンダメンタルズ面で脆弱な状態が続いており、▲6,345億円の大幅な貿易赤字や、国債残高を巡る懸念が重しとなっている。歴史的にも、貿易収支が深い赤字基調にある局面では、世界的な市場ボラティリティが高まっても円は持続的な反発を形成しにくい。結果として、両国間の大きな金利差がクロスの急落を抑え、当面は直近の週次安値を上回る水準で下支えされやすいと見込む。
このマクロの綱引きを踏まえ、レンジ型のオプション戦略の活用を推奨する。例えば、114.00のレジスタンス近辺で短期のアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)コールを売る戦略が考えられる。方向性のエクスポージャーを取りたい向きには、112.00割れの下方ブレイクに備えるAUD/JPYのプット・スプレッド買いが有力だ。中国需要の軟化が豪州の主要商品輸出価格を押し下げるなど、グローバルな逆風が広がっている点も、弱気バイアスを下支えする材料となる。
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