英国の7月消費者物価指数(CPI、総合)は前年比2.9%上昇となり、6月の2.6%から加速した。市場予想と一致し、イングランド銀行(BoE)の目標である2%を引き続き上回った。コアCPIは前年比2.6%上昇で、6月から横ばいだったものの、市場予想の2.5%を上回った。前月比ではCPIが0.3%上昇(前回0.1%上昇)となり、コンセンサス通り。発表後、ポンドは小幅高となり、GBP/USDは0.08%高の1.3545。
指標発表に先立ち、英国国家統計局(ONS)の公表はGMT午前6時が見込まれており、エコノミストは総合CPIを前年比2.9%(6月は2.5%)と予想、BoEの見通しである2.8%も上回る水準とされていた。コアCPIは前年比2.5%が想定されていた。予測ではサービスインフレ率が前年比3.4%、前月比CPIが0.3%とも見込まれていた。BoEは政策金利(バンクレート)を3.75%に5会合連続で据え置いたが、金融政策委員会(MPC)の票割れは6対3となり、7対2の想定よりも割れていた。中東での敵対行為再燃を背景に、原油価格はおおむね22%上昇と説明されていた。別途、2022年のFXデータでは、ポンドは世界の取引高の12%を占め、1日平均の取引額は6,300億ドル。主要通貨ペアのシェアはGBP/USDが11%、GBP/JPYが3%、EUR/GBPが2%で、通貨の起源は西暦886年にさかのぼるとされる。
予想を上回るインフレを受けたポンド相場の見通し
本日の英国インフレ指標が市場予想を上回ったことを受け、今後数週間はポンド関連通貨ペアでボラティリティ上昇に備えるべきだと考える。7月の総合インフレ率が2.9%へ上昇し、コアCPIも2.6%と強い内容となったことで、BoEは9月17日の会合で対応を迫られている。発表直後にGBP/USDが1.3545へ上昇したことは、市場が利上げの早期実施確率を引き上げて織り込み始めていることを示す。
中東の地政学リスクの高まりにより、ブレント原油は大きく上昇しており、直近データでは22%の急騰が確認され、世界的なエネルギーコスト押し上げに直結している。過去の経済研究では、原油価格が持続的に10%上昇すると、1年以内に英国の総合インフレ率を最大0.5%ポイント押し上げ得ることが示されている。こうしたエネルギー価格の変動がインフレの粘着性を高め、中央銀行が現行3.75%から政策金利を引き上げる強い根拠になると見込む。
戦略的な取引とイングランド銀行の政策含意
この環境を活用するため、デリバティブ取引では、権利行使価格を1.3600および1.3658に設定したGBP/USDのコールオプションの利用を推奨する。14日RSIが強気圏の62に位置していることから、上方向のモメンタムは明確に買い方優位だ。急な相場反転に備えてヘッジしたい場合は、プットオプションの購入、または主要な移動平均線が集中する厚いサポート帯である1.3420近辺にタイトなストップロスを設定する手段がある。
BoEの過去の引き締め局面を分析すると、今回のようにMPCの票割れが大きい(直近は6対3)局面では、次回決定までの期間にポンドが平均1.5%上昇する傾向がある。英ポンドは世界で4番目に取引が活発な通貨で、1日平均6,300億ドルの取引高を背景に流動性は十分深く、確度の高い取引を支えるとみられる。今後発表されるサービス部門関連の指標を注視したい。サービスインフレ率が現状の3.4%をさらに上回るようであれば、9月利上げはほぼ決定的となる可能性が高い。
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