英ポンドは火曜日の欧州時間、6月までの3カ月を対象とした英国の労働市場統計を受け、対米ドルで0.1%下落し、1.3530前後で推移した。今回の指標は雇用環境の冷え込みを示す証左を加える内容となり、イングランド銀行(BOE)が追加利上げに踏み切るだけの十分な根拠を有しているかどうかへの検証が一段と強まった。市場の関心は、水曜日に発表予定の7月英国消費者物価指数(CPI)へ移っている。
米ドルは底堅く、米ドル指数は月曜日に2カ月ぶり高値となる99.30に到達した後、99.65近辺へ小幅に上昇した。市場は9月会合での米連邦準備制度理事会(FRB)の動きを見極めている。加えて、トレーダーは水曜日に公表予定の7月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を待っている。
英国労働市場の冷え込みで英ポンドに下押し圧力
英国の雇用指標の鈍化を踏まえると、デリバティブ市場の参加者は英ポンドに下押し圧力がかかる局面に備える必要があると考える。給与支払い対象雇用者数が減少し、民間部門の採用が横ばいとなる中、BOEが近い将来に政策金利を引き上げる可能性は極めて低い。こうした労働市場の冷却は、数週間先を見据えたGBP/USDのショートやプット・オプション買いが有効な戦略となり得ることを示唆する。
これを裏付けるように、今年前半のデータでは英国の賃金上昇率は6%超から直近の四半期では4.5%程度まで着実に減速してきた。この流れは、消費支出が力強さを欠くサービス部門全体の減速とも整合的だ。トレーダーは今後発表される7月CPIに注目すべきで、インフレ率が2.0%の目標をさらに下回るようなら利下げ観測が決定打となり、英ポンドの一段安につながる可能性が高い。
金融政策見通しの分岐がFX機会を浮き彫りに
一方、米ドル指数は99.65近辺で底堅い持ち合いを示しており、慎重姿勢のFRBが支えとなっている。今後公表されるFOMC議事要旨が、米政策当局が早期利下げではなく金利据え置きに前向きであることを確認する内容となれば、金利差は米ドル優位に傾く。こうした見通しの分岐を踏まえ、英ポンド安・米ドル高の局面で利益を狙いつつリスクを限定できるオプション・スプレッドの構築を活用することを提案したい。
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