
要点:
- AUD/USD(豪ドル/米ドル)は0.7090を上回り、豪ドルの持ち直しを背景に約10週間ぶりの高値を付けた。
- RBA(豪準備銀行)が利下げに慎重な姿勢(タカ派=インフレ抑制のため利上げに前向き)を示す一方、米国の経済指標が弱めで、米ドルの重しとなっている。
- RBAは政策金利(キャッシュ・レート=豪州の代表的な短期金利)を4.35%に2会合連続で据え置いたが、追加利上げの可能性は残ると示唆した。
- 市場は来年初めまでにRBAが最終的に4.60%へ引き上げる確率を約70%と織り込んでいる。
- AUD/USDの次の注目材料は、豪州の7月雇用統計。
豪ドルは0.7090を上回り、約10週間ぶりの高値となった。市場は、豪州と米国で金融政策(中央銀行の利上げ・利下げなどの方針)の見通しが食い違う点を見極めている。
AUD/USDは、RBAのタカ派姿勢と、米国景気の弱さを示す材料の組み合わせで支えられている。最近の米指標では、物価(インフレ)の伸びが鈍いほか、消費者心理(家計の景況感)や小売売上高(小売の販売額)も弱く、FRB(米連邦準備制度理事会)の追加利上げ観測が後退。米ドルの上値を抑えている。
FRBの見方が変わりつつあることが豪ドルの追い風となっている。市場は、インフレと国内経済の状況を踏まえ、RBAが追加利上げに動くかどうかも注視している。
注目の取引水準
| 価格水準 | 市場の注目点 |
| 0.72 | 戻り高値に近い重要な上値抵抗(レジスタンス=上がりにくい水準) |
| 0.71 | 足元の取引ゾーン。短期の上値の目安 |
| 0.7 | 心理的な節目の下値支持(サポート=下がりにくい水準)。最初の下値メド |
| 0.69 | 直近の反落後の短期サポート |
| 0.685 | 直近の調整安値に近い、より大きなサポート帯 |
AUDUSDは0.7097近辺で推移し、直近の下落局面で意識された0.6850~0.6900のゾーンから戻している。MACD(移動平均収束拡散法=2本の移動平均の差で勢いをみる指標)もシグナルライン(MACDの平均線)を上回り、上昇の勢いが改善していることを示す。
0.7100を明確に上回って推移すれば、戻りが強まり、0.7200の上値抵抗が再び焦点となる。一方、0.7000を割り込むと、足元の戻りは弱まりやすい。
強気・弱気シナリオ

| 想定 | 条件 | 想定される値動き |
| 戻り継続 | 0.7000を維持 | AUDUSDは0.7100~0.7200へ向かう可能性 |
| 上抜け(強気) | 0.7200を上抜け | 勢いが強まり、直近高値を試す展開 |
| レンジ推移 | 0.7000~0.7200で推移 | 勢いを見極めながらもみ合い |
| 下抜け(弱気) | 0.6900を下回る | 売り圧力が強まり、0.6850を試す可能性 |
強気シナリオは、AUDUSDが0.7000を維持し、0.7100を上抜ければ強まりやすい。さらに0.7200を明確に上抜けて定着すれば、戻り基調の継続をより強く示す。
弱気シナリオは、0.6900を割り込んだ場合に現実味を帯びる。戻りの勢いが鈍り、0.6850のサポートが意識されやすい。
免責事項
上記の価格水準と取引シナリオは執筆時点の見方であり、投資助言でも、VT Marketsによる公式な推奨でもない。取引にあたっては自身で分析し、リスク(損失の可能性)管理を徹底したい。
今後の注目点
豪州の7月雇用統計が、豪ドルの短期の主要材料となる。結果次第でRBAの次の政策判断への見方が変わり得る。
市場が注視する項目:
- 豪州の雇用指標:労働市場(雇用の強さ)の状況は、RBAが追加で金融引き締め(利上げなどで景気を冷ます)を行う見方に影響する。
- RBAの発言:当局者のコメントは、政策金利の道筋(今後の金利水準)への見通しを動かす。
- 米国の経済指標:物価と景気(活動)のデータは、FRBの見通しと米ドルの方向性に直結する。
- FRBの金利見通し:9月の利上げ確率の変化は、AUD/USDに影響しやすい。
- AUD/USDの値動き:10週ぶり高値を付けた後も、0.71000近辺は短期の重要な目安。
テクニカル(価格の動きから相場の傾向を読む分析)の観点では、AUD/USDが0.70970を上回って定着できるかが注目点。近い下値の目安は0.70000となる。
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AUD/USDは主要通貨ペア(取引量が多い通貨の組み合わせ)の一つで、金利見通し、経済指標、リスク選好(投資家がリスク資産を買うか避けるか)を映しやすい。
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よくある質問
豪ドルはなぜ上昇しているのか?
AUD/USDは、RBAが利上げに含みを残すタカ派姿勢を示していることに加え、米国の経済指標が弱めで米ドルが上がりにくいことが支えとなっている。
豪ドルを支えている要因は?
RBAが追加利上げするとの見方が豪ドルを支えている。市場は、来年初めまでに政策金利が4.60%へ引き上げられる確率を約70%と見ている。
AUD/USDはどうなっている?
AUD/USDは0.7090を上回り約10週間ぶりの高値。豪州の金利見通しが下支えとなり、米ドル安も追い風となっている。
豪ドルの次の重要材料は?
次の焦点は豪州の7月雇用統計。RBAの先行きを占う手掛かりとして注目されている。
市場が注目するAUD/USDの水準は?
当面の上値の目安は0.71000近辺。押した場合は、近い水準として0.70000が意識されやすい。
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