ブルームバーグが、高市政権が日銀の早期利上げを支持していると報じたことを受け、9月の日銀利上げを織り込む動きが強まっている。市場が示唆する確率は、1週間前の60%から75%へ上昇したが、円の反応はなお限定的だ。背景には、円安に伴うインフレ圧力を重視する日銀と、円買い介入の実効性を高めたい政府の狙いが、より整合的になってきたことがある。
仮に日銀が9月に利上げに踏み切れば、9カ月で3回目となり、1989年の資産バブル崩壊以降で最速の引き締めペースとなる。それでも、9月もしくは10月以降に追加利上げをどこまで進めることに当局が前向きかは不透明だ。より持続的な円の回復には、政策正常化の加速をより明確に示すシグナルが必要と位置づけられる一方、介入リスクがドル円の上値を160近辺で抑えるとの見方が強い。キャリートレードの資金調達通貨としては、スイスフランが選好されている。
インフレ高止まりのもとで高まる利上げ観測
9月の日銀利上げについて、市場が示唆する確率が先週の60%から75%へ急上昇しているとみる。日本のコアインフレ率が2%の目標を上回る状態が続き、足元ではおよそ2.5%近辺で推移していることが、政策当局への圧力を維持している。こうしたタカ派的な織り込みにもかかわらず、円の反応は意外に静かで、トレーダーはより決定的な動きを待っていることを示唆する。
戦略面の論点と介入リスク
デリバティブ投資家にとっては、ドル円の160水準を注視することを推奨する。当局は同水準を上抜ける局面では高い確度で介入に動く可能性があるためだ。この閾値近辺で短期のドル円プット(USD/JPY put)を購入することは、下方向の可能性を限定リスクで狙う手段となる。2024年晩春に実施された9.8兆円規模の大規模介入といった過去事例は、政府がこの水準を防衛する用意があることを示している。
一方で、円コール(JPY call)を積極的に買い進むのは時期尚早とみる。円高の持続には、中銀が速いペースでの利上げをコミットすることが必要になるためだ。秋以降の引き締めを政府がどこまで支持するかが不透明な中、キャリートレードの資金調達通貨としてはスイスフランの方が優位な代替策であり続ける。今後数週間は、円の大幅かつ即時の上昇を見込むより、相対価値取引に焦点を当てたい。
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