GBP/USDは金曜のアジア時間に押し目買いが入り、前日に週安値を付けてからの2日続落に歯止めがかかった。ただし、反発は節目の1.3500を上回る水準で失速した。米国では木曜発表の生産者物価指数(PPI)が弱めの内容となり、FRBの追加利上げ観測が後退。水曜の消費者物価指数(CPI)は市場予想に沿った内容で、インフレ圧力が沈静化しつつあるとの見方を補強した。これによりFRBが金利を据え置く余地があると受け止められ、米ドル(USD)の重しとなって通貨ペアを下支えした。
一方、中東情勢の緊張が高止まりするなか、リスク回避の安全資産需要が米ドルを下支えし、下落幅は限定された。ホルムズ海峡を巡る米国とイランの対立が地政学リスク・プレミアムを維持している。ポンドは木曜の英マクロ指標が強弱まちまちだったことも重荷となった。市場の注目は金曜の米指標(小売売上高、ミシガン大学消費者信頼感指数〈速報値〉)に加え、FRB要人発言や地政学関連ヘッドラインに移っており、GBP/USDは週間では概ね横ばいで終える構えとなっていた。
テクニカル面では、GBP/USDは4時間足で100期間単純移動平均線(SMA)を上回って推移。SMA(1.3422近辺)が当面の下値支持として意識され、これを割り込む場合は、より深い調整局面入りを示唆する。
Trading Strategy: Buy-On-Dips with Limited Upside Appetite
当社は、GBP/USDが重要な100期間SMA(1.3422近辺)を維持する限り、デリバティブ取引では押し目買いに重心を置くことを提案する。ただし、現在は1.3500の主要レジスタンスを明確に上抜けられずにおり、上値を追いかける形の追随買いは避けるべきだ。週末にかけてスポットが概ね横ばいで着地しそうな状況では、この慎重姿勢が不可欠となる。
強気寄りの見方は、米インフレの鈍化によって裏付けられる。CPIは前年比2.4%で安定推移しており、FRBに追加利上げを迫る圧力が和らいでいる。弱いPPIと相まって、この流れは歴史的には米ドルを押し下げ、GBP上昇余地を広げやすい。こうした局面を狙うには、1.3600方向への上抜けをターゲットに、ブル・コール・スプレッドなど限定リスク戦略の活用を推奨する。
Risks and Key Data Events: Geopolitics and Economic Releases
もっとも、ホルムズ海峡を巡る米国とイランの緊張激化により、米ドルには安全資産需要が入りやすく、下支えされている点を軽視できない。スコット・ベッセント米財務長官の強硬な発言は、制裁強化の可能性を示唆しており、米ドル急伸を誘発するリスクがある。したがって、損切りは1.3420をわずかに下回る水準にタイトに設定するか、ヘッジとして安価なアウト・オブ・ザ・マネーのUSDコールオプションを購入することを推奨する。
先行きでは、アナリスト予想で前月比+0.2%と小幅増が見込まれる米小売売上高が、次の大きな値動きを左右しやすい。英国の景気指標は強弱が交錯しており、歴史的にもポンドの上値を抑えてきたことから、目先の急騰は見込みにくい。今後数週間は、大きなブレイクアウトに賭けるより、レンジを前提とした柔軟な売買戦略を維持すべきだと考える。
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