米国株は史上最高値を更新しており、CHA50(FTSE中国A50)とUS500(S&P 500)のペアトレードは、「割安な中国市場」よりも「割高だが勝者である米国市場」へ資金が向かう構図が転換し始めるかどうかを測る指標となっている。資金フローの裏付けよりも価格面の乖離の方が明確で、持続的なローテーションはまだ形成されていない。S&P 500は8月10日時点で年初来13.3%上昇し、第2四半期決算も上昇を支えた。8月7日時点で、436社中85.1%がアナリスト予想を上回った。バリュエーションは依然タイトで、指数の予想PERは8月4日時点で20.4倍(2025年末時点では22.2倍)に位置する。一方で、高水準の米国債利回りと指数の高集中が、クラウド需要の減速やAI関連リターンの期待剥落に対する感応度を高めている。
中国は対照的な環境にある。期待は低く、バリュエーションは割安で、政策支援の余地も残る。FTSE中国A50指数はA株の大型50銘柄を追随し、US500のテクノロジー主導とは異なり、本土の銀行・保険、消費、資本財・工業に傾斜する。同指数には、不動産、賃金、消費、規制、地政学をめぐる懸念が織り込まれている。もっとも、フローは依然として「主役交代」に否定的だ。新興国は7月に188億ドルの資金流入(2カ月連続の流出後)となったが、株式は78億ドルの流出だった。中国は株式から37億ドル、債券から34億ドルが流出した。転換の確認には、海外勢の株式への持続的な資金流入、参加の裾野拡大、利益予想の上方修正、人民元や地政学リスク下でも崩れない耐性が必要となる。
ペアトレード戦略とUS500のポジショニング
CHA50とUS500のペアは、米国の高モメンタムを活かした執行と、中国の大幅なバリュエーション・ディスカウントを両立する戦略で臨むべきだ。S&P 500の予想PERが20.4倍と割高感を伴う一方、直近では企業の85%超が市場予想を上回っており、利益の裏付けは具体的である。モメンタムを取り込みつつ過度なコミットを避けるため、US500は短期のコールオプションを中心に組成し、AI主導の上昇に参加しながら、集中度の高さが急落を招く局面での下方リスクを限定したい。
中国A50のポジショニング、資金フロー、相対価値
トレードの反対側では、中国A50は依然として大きく割安で、米国の評価倍率の一部水準で取引されている。ただし、先月は海外投資家が中国株から37億ドルを引き揚げており、持続的な上昇トレンドはまだ欠けている。当面はCHA50の現物ロングを避け、低コストで逆張り回復局面に備える手段として、期限の長いブル・コール・スプレッドの活用が望ましい。
歴史的に、高バリュエーションの成長セクターから、割安なディフェンシブ市場への資金ローテーションには時間がかかり、明確な政策トリガーを要する。新興国向けの週次資金フローデータを監視することで、機関投資家マネーがシフトし始める瞬間を捉えられる。フローがプラスに転じるまでは、デリバティブ取引では相対価値戦略を推奨する。US500は押し目で拾い、中国関連の上方向の仕掛けは厳格なリスク上限を設けて運用したい。
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