
ポイント
- 米ドル指数(DXY、主要通貨に対する米ドルの強さを示す指数)は99.6前後で推移し、6月上旬以来の低水準圏にある。
- 米雇用者数(給与支払いベースの雇用者数、いわゆる非農業部門雇用者数)が7月に2万3,000人減と予想に反して減少。失業率は4.1%へ小幅に低下した。
- 弱い労働関連の数字を受け、9月の米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測が後退。米国債利回り(米国債の利回り。金利の目安)も低下した。
- 市場は次の手掛かりとして、米インフレ指標に注目している。
- DXYは重要な節目の100近辺に接近しており、下落が続くかどうかを見極める局面となっている。
米雇用統計が予想を下回り、FRBの金融政策見通しが変化したことで、米ドルは上値の重い展開が続いている。
米国では7月の雇用者数が2万3,000人減と、増加を見込んでいた市場予想に反して減少した。過去分も下方修正された。一方、失業率は4.1%へ小幅に低下した。
DXYはこれを受けて99.5近辺まで下落し、月曜日は99.6前後で推移。6月2日以来の低水準に近い。
為替市場の焦点は、弱い雇用指標が米金利見通し(政策金利の先行き)にどう影響するかだ。
DXYに注目が集まる理由
雇用統計を受け、9月の利上げ観測が後退した。市場の織り込み(先物などの価格に反映された見通し)では、9月利上げの確率が50%を下回り、米国債利回りも低下。米金利の予想が下がると、ドル建て資産の利回り面での魅力(他通貨との金利差)が薄れ、DXYの下押し要因になりやすい。
次の重要材料はインフレだ。投資家は7月の消費者物価指数(CPI、消費者が買うモノ・サービスの価格の動き)を待ち、FRBが現行方針を維持できるのか、物価の粘着性(下がりにくさ)で「高金利の長期化」が意識されるのかを見極めようとしている。
変動の大きい品目を除いたコアCPI(基調的な物価を示す指標)は、前月比0.2%、前年比2.5%の上昇が見込まれている。
重要な取引水準
| 価格水準 | 市場が注目する点 |
| 100.5 | ドルが持ち直す場合の重要な上値の壁(レジスタンス)。 |
| 100.0 | 目先の上値の壁で、回復局面の最初の節目。 |
| 99.7 | 足元の取引レンジの中心となりやすい水準。 |
| 99.5 | 直近下落後の重要な下値の支え(サポート)。 |
| 99.0 | 売りが強まる場合の次のサポート候補。 |
| 98.5 | 下落が続く場合のより強いサポート候補。 |
DXYは直近の下落後も100.0を下回っており、短期的には慎重な地合いが続いている。
100.0を回復すれば次の上値の壁として100.5が意識される。一方、99.5を下抜けると、99.0、さらに98.5が視野に入る。
足元の中心レンジは99.5〜100.0で、どちら側に抜けるかが次の方向性を左右しやすい。
強気・弱気の想定シナリオ

| シナリオ | きっかけ | 想定される市場の反応 |
| ドルの持ち直し | 100.00を上回る | DXYが100.50方向への戻りを試す可能性。 |
| 上昇の継続(強気) | 100.50を上抜け | 買いが優勢となり、戻りが続く可能性。 |
| レンジでのもみ合い | 99.50〜100.00を維持 | 様子見が強まり、方向感が出にくい可能性。 |
| 下落加速(弱気) | 99.50を下回る | 売りが強まり、99.00が意識されやすい。 |
| 一段安 | 99.00を下抜け | 98.50のサポート帯に向かう可能性。 |
強気の展開は、DXYが100.00を上回った場合に想定され、次の焦点は100.50となる。
弱気の展開は、DXYが99.50を下抜けた場合に想定され、下値の目安として99.00、98.50が意識される。
免責事項
上記の価格水準や想定シナリオは執筆時点の筆者見解であり、投資助言ではない。VT Marketsの公式見解や推奨でもない。取引にあたっては自身で分析し、リスク管理を徹底する必要がある。
DXYをCFDで取引する理由
DXYのCFD(差金決済取引:現物を保有せず、価格差だけを売買する仕組み)を使うと、米ドルを直接保有しなくても、主要通貨バスケットに対する米ドルの値動きに連動した売買ができる。
これにより、ユーロ/米ドル(EUR/USD)、英ポンド/米ドル(GBP/USD)、米ドル/円(USD/JPY)といった個別の通貨ペアとあわせ、ドル全体の強弱を把握しやすい。
CFDはレバレッジ(証拠金に対して大きな金額を動かす仕組み)を用いる取引で、利益だけでなく損失も拡大し得る。
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今後の注目点
米ドルの次の方向性は、今後発表される米経済指標がFRBの金融政策見通しにどう影響するかに左右されやすい。
主な注目材料は以下の通り。
- 米CPI:インフレの流れが、9月のFRB判断の見通しに影響。
- 米PPI:生産者物価指数(企業側の出荷段階の価格の動き)。インフレ圧力の手掛かり。
- 小売売上高:米消費の強さを示し、景気の勢いを測る材料。
- FRBの金利見通し:市場の織り込みが、利上げ・利下げの時期やペースでどう変化するか。
- 米国債利回り:金利見通しの変化に伴う利回りの動き。
- 主要通貨ペア:EUR/USD、GBP/USD、USD/JPYの動き。
- リスクセンチメント:市場のリスク許容度の変化が、ドル需要に影響。
テクニカル(チャートに基づく分析)では、戻りの節目として100.00、目先のサポートとして99.50が意識されている。
よくある質問
米ドル指数(DXY)はなぜ下落しているのか。
7月の米雇用者数が予想外に減少し、FRBが近く利上げするとの見方が弱まったため、DXYが下押しされている。
2026年7月の米雇用で何が起きたのか。
雇用者数が2万3,000人減と予想に反して減少し、失業率は4.1%へ小幅に低下した。過去分も下方修正された。
米ドルを支える材料は何か。
米インフレなど経済指標が強ければ、米金利が高止まりするとの見方が強まり、ドルの下支えになり得る。
DXYの注目水準は。
目先は99.5、上値の節目は100.00。下方向は99.0、上方向の次の目安は100.5が意識される。
DXYの次の重要材料は。
短期の最重要材料は米CPI(消費者物価指数)。その後はPPI(生産者物価指数)や小売売上高が控える。
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