米国債利回りは金曜日、イールドカーブ全体で低下した。ホルムズ海峡を巡るイラン―オマーン間の合意が近いとの観測が強まり、エネルギー価格の重しとなったためだ。米政府高官は、進展があったと述べ、航行の妨げを解消する合意が発表されれば、米海軍はイラン港湾の封鎖を解除する見通しだとした。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は下げを拡大し、約1%安の77.50ドルまで下落。10年米国債利回りは約3bp低下し、4.651%となった。
金利見通しも弱い米労働指標を受けて変化した。プライム・ターミナルのデータによると、マネーマーケットは9月のFRB利上げ確率を30%と織り込み、前日の58%から低下。一方で据え置き確率は70%と示唆された。7月の非農業部門雇用者数(NFP)は市場予想の8.0万人増に対し2.3万人減となり、5月・6月分の改定で合計10.3万人下方修正された。失業率は4.2%から4.1%へ小幅低下。米ドル指数(DXY)は0.42%安の99.54となり、来週は消費者物価(CPI)と生産者物価(PPI)、新規失業保険申請件数、ミシガン大学消費者信頼感指数に注目が移る。
金利・通貨デリバティブにおける機会
デリバティブ取引では、ハト派シフトに備え、金利先物・オプションを軸にポジション構築することを推奨する。市場が9月利上げ確率を30%しか織り込まなくなった現状では、利回りが4.5%のサポート水準へ低下していく局面を想定し、10年国債先物のコールオプションを買う戦略はリスク・リターンの観点から妙味がある。過去にも、景気減速局面で見られたようなNFPの急減や大幅下方改定は、その後の債券相場の持続的な上昇(利回り低下)に先行する傾向があった。
米ドル指数(DXY)が99.54まで下落したことは、通貨デリバティブ取引に明確な機会を提示している。来週のインフレ指標を前に、ユーロ(EUR/USD)のコールオプション購入、もしくはショート・ドルのリスクリバーサルにより、ドル安進行へのヘッジを推奨する。来週のCPIが市場予想を下回る場合、FRBの「一時停止(据え置き)」観測が強まり、ドルは過去のサポート水準である98.00近辺へ向かう可能性が高い。
ペルシャ湾情勢を踏まえたエネルギー市場戦略
エネルギー市場では、WTI原油に一段の下押し圧力がかかる展開に備えるべきだ。イラン―オマーンの航行合意が最終決着し、米海軍が封鎖を解除すれば、供給流入によってWTIは現行水準の77.50ドルを大きく下回ることも十分あり得る。弱気筋は、WTI先物のアット・ザ・マネー近辺のプットオプションを購入し、供給要因の下押し圧力を取り込みつつリスク管理を図る戦略を検討したい。
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