弱い米国の非農業部門雇用者数(NFP)を受けて米ドルと米国債利回りが低下し、金(XAU/USD)は上昇した。スポットは約4,368ドルまで切り返し、6月17日以来となる7週間ぶり高値水準として4,350ドル台を維持した。7月の雇用者数は市場予想の+8.0万人に反して-2.3万人と減少し、6月分も+5.7万人から+2.0万人へ下方改定された。失業率は4.2%から4.1%へ低下した。米ドル指数(DXY)は99.45近辺で推移し、日中では0.47%安。10年債利回りは4.60%前後と、日中高値4.68%から約8bp低い水準で取引された。金は4,000〜4,200ドルのレンジを上抜けた後、週間で8%超上昇した。
週前半の原油安はエネルギーインフレ懸念を後退させ、市場ではFRBの利上げ観測が後退。CME FedWatchでは9月の政策変更確率が約42%と、1週間前の約67%から低下した。もっとも、ホルムズ海峡で「敵対的標的」への攻撃が報じられ、イラン—オマーン間の海運枠組みを巡る議論も続くなど、地政学リスクが価格を下支えした。チャートでは、XAU/USDはボリンジャーバンドの20期間SMA(4,086ドル)を回復し、上限バンド(4,272ドル)を上回って推移。RSIは66、MACDはプラス圏を維持した。上値抵抗は100日SMA近辺の4,390ドル、下値支持は4,272ドル、4,086ドル、4,000ドルが意識される。
金デリバティブとトレーディング戦略
デリバティブ取引では、今後数週間の金(XAU/USD)の上昇モメンタム継続を想定し、コールオプションを軸としたポジショニングを推奨する。7月NFPが-2.3万人と急減したことで米ドルには強い下押し圧力がかかり、ドル指数は99.45まで低下した。過去データでは、労働市場指標が大幅に予想を下回った局面で、安全資産志向の資金流入により金関連デリバティブの出来高が15〜20%増加するケースが多い。
金利先物の動向は注視したい。9月利上げ確率は67%から42%へ急低下した。歴史的にも、10年債利回りが4.60%へ低下するような急速な利回り低下は、無利息資産である金の保有コスト(機会費用)を大きく押し下げる。こうした環境変化を捉える手段として、上昇余地を取り込みつつリスクを限定するブル・コール・スプレッドの活用が有効となる。
ボラティリティ管理とテクニカル水準
ホルムズ海峡を巡る緊張が続く中、原油デリバティブと金のボラティリティに関するリスク管理も重要となる。海運合意への期待でエネルギー価格は一時的に沈静化したものの、軍事攻撃の報道により地政学リスク・プレミアムは極めて高い水準にある。デリバティブ取引では、中東情勢に起因する急激な価格変動を狙い、原油と金の双方でロング・ストラドルを検討する余地がある。
テクニカル面では、ロングの短期利確目標として100日単純移動平均線の4,390ドルを意識したい。4,390ドルを明確に上抜ければ、過去の傾向から心理的節目を目指す急伸局面に移行する可能性がある。一方、下方向では、急反転に備え、直近サポートである4,272ドル近辺にタイトなストップロスを設定し、資本防衛を優先したい。
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