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ウォール街、企業決算の好調と原油安を追い風に最高値更新

by VT Markets
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Aug 6, 2026

概要

  • 米主要株価指数は、堅調な企業決算(企業の利益の実績)、AI(人工知能)需要への期待、投資家心理の改善を背景にそろって過去最高値を更新し、リスク選好(リスク資産を買う姿勢)が強まった。
  • 米国の民間雇用の伸びが鈍化し、インフレ圧力(物価上昇の勢い)がさらに弱まるとの見方が広がった。これによりFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策運営の自由度が高まるとの期待が支えとなった。
  • 原油価格の下落で、エネルギーコストとインフレ再燃への懸念が後退し、株式の追い風となった。
  • ハイテク株が上昇相場を主導。AI、クラウド(インターネット経由で使うITサービス)、半導体の設備投資が下支えした。
  • ダウ工業株30種平均、S&P500種指数、ナスダック100指数はいずれも最高値を更新。ただし投資家は、経済指標とFRBの政策シグナル(発言や声明)を注視している。

世界の金融市場は強気局面に入り、米主要株価指数は企業決算の強さ、景気見通しの改善、地政学リスクのいったんの後退を背景に過去最高値を更新した。

今回の上昇は、高金利(政策金利が高い状態)が続く中でも、米企業が利益成長を維持できるとの見方が強まったことを映す。上場企業はコスト管理の徹底や利益率(売上高に対する利益の割合)の改善を示し、株価の材料として決算が引き続き重要であるとの見方を支えた。

中でもテクノロジー(ハイテク)分野の寄与が大きい。大手IT企業はAI、クラウド、デジタル基盤(データセンターなどの設備)への投資を拡大しており、将来の売上成長期待がハイテク株の買いを支えた。

米雇用の伸び鈍化が投資家心理を下支え

米国の民間雇用統計も、株式市場を支える材料となった。

ADP雇用報告(民間給与計算会社ADPが公表する民間部門の雇用統計)によると、7月の民間雇用者数は前月比4.4万人増と、市場予想の約7.5万人増を大きく下回った。6月分(改定値)の9.5万人増からも減少した。

雇用の伸びが鈍ったことで、堅調だった労働市場が徐々に落ち着いてきた可能性が示唆された。雇用指標の弱さは景気減速懸念につながりやすいが、今回は「賃金や物価の上昇が和らぐ」サインとして受け止められ、市場は良好に反応した。

労働市場の過熱が収まれば、FRBが引き締め的な金融政策(景気を冷やしインフレを抑えるため、金利を高めに保つ政策)を続ける必要性が薄れやすい。今後の政策がリスク資産(株式など)にとって追い風になるとの期待が高まった。

原油安がインフレ懸念を後退

地政学面の動きも、市場心理を左右した。

中東情勢の緊張で、エネルギー供給の混乱(供給量が減り価格が上がるリスク)への警戒が強まり、原油高と市場の不透明感につながっていた。

ただ、その後は緊張の一段の悪化懸念がやや後退し、供給途絶リスクの見直しから原油価格は下落した。

エネルギー価格の下落は株式に追い風となった。原油価格が下がると、企業の燃料・物流コストなどの経費が減りやすく、家計の負担も軽くなるため、利益率や消費の下支えが期待される。なおWTI原油(米国で取引の中心となる代表的な原油)や原油ETF(上場投資信託:株式のように売買でき、原油先物などに連動しやすい商品)を手掛かりに、エネルギーコストの影響を確認する投資家も多い。

心理改善を受け、資金は成長株(将来の成長が期待される企業の株)に再び向かい、ハイテク、資本財・工業、金融などに買いが広がった。セクター(業種)ごとの値動きを狙い、ETFをCFD(差金決済取引:現物を持たずに価格差だけを売買し、証拠金で取引する仕組み)で取引する動きもみられる。

FRBの金融政策は引き続き最大の材料

市場心理が改善する一方、米株の先行きを左右する最大の材料は金融政策だ。

インフレ抑制を狙った引き締めが2年以上続く中、FRBがいつ政策姿勢を柔軟化(利下げや、厳しさを弱める方向)へ移すのかに関心が集まっている。

インフレ率はピークから鈍化し、サプライチェーン(供給網)の改善や商品市況の落ち着きもみられる。ただ、CPI(消費者物価指数:家計が買う商品・サービスの価格変化を示す指標)では、サービス価格や賃金など、政策当局が警戒する分野が残っている。

金利は企業価値(株価の割高・割安の判断)、資金調達コスト、投資行動に影響する。S&P500やダウなどの指数を追う投資家は、金利見通しの変化が市場全体の評価にどう反映されるかを点検している。

もっともFRBは、今後の判断は経済データ次第との姿勢を続けている。

インフレの再加速や、雇用の想定以上の強さが示されれば、利下げなど政策緩和(金融を緩めること)への期待が後ずれし、市場の変動(ボラティリティ:価格の振れの大きさ)が高まる可能性がある。こうしたマクロ環境(景気・物価・金利など大枠の経済環境)の変化に備え、経済指標発表時の値動き(ニュースで動く相場)やリスク管理(損失を抑えるためのルール作り)を重視する投資家は多い。

米主要株価指数のチャート分析(テクニカル分析)

米3指数のチャート面(テクニカル:価格や出来高の動きから相場を読む手法)では、企業決算の強さ、資金流入、金融政策観測の改善を背景に、強気基調が続いている。

ただ、ダウ、S&P500、ナスダック100はいずれも最高値圏にあり、上昇の勢いが続くか、いったんの持ち合い(高値圏での小動き。調整とも)に入るかが注目される。

今後は雇用、物価、FRB高官の発言が、相場の方向を決める主要材料となりそうだ。

ダウ平均

ダウ平均は5日続伸し、資本財・工業、金融、ヘルスケア(医療関連)などが相場を支え、最高値を更新した。

相場は安定した上昇トレンド(上向きの流れ)にあり、これまで下支えとなってきたサポート水準(下値支持線:下落しにくいと見られやすい価格帯)を上回って推移している。

ハイテク株の比率が高い指数に比べると、ダウは伝統産業への分散が大きく、ITセクターの変動の影響を受けにくい面がある。

高値は5万4,881.00ポイント。始値は5万4,340.95ポイントだった。

S&P500

S&P500は5日続伸し、重要なサポート水準を上抜けた。買い手が主導し、上昇の流れを保った。

最高値更新は、企業収益の底堅さへの信頼と、金融政策が引き締め一辺倒ではなくなるとの期待を反映している。

チャート面では強い上昇トレンドが続く一方、足元の株価水準(バリュエーション:利益に対して株価が高いか安いか)を今後の利益成長がどこまで支えられるかが焦点となる。

高値は7,819.50ポイント。始値は7,771.33ポイントだった。

ナスダック100

ナスダック100は相場上昇のけん引役となった。AI、クラウド、半導体の開発に関与する大手テック企業への需要が下支えした。

指数は明確な上昇チャネル(一定の範囲で上向きに推移する形)で推移しており、成長期待の高いハイテク分野への関心が続いていることを示す。

上昇局面で取引が増えていることから、薄商い(流動性の低下:売買が少ない状態)による一時的な上振れではなく、投資家の参加が広がっている可能性がある。

高値は3万0,072.98ポイント。始値は2万9,774.84ポイントだった。


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