米ドル指数(DXY)は月曜日、100近辺へじり高となった。米製造業指標の改善に加え、先週の急落後に米国とイランの接触を巡る不透明感が再燃したことが支えとなった。先週の売りは、ワシントンと東京(日本政府・日銀)が円(JPY)を下支えするために協調介入を実施したことを受けたものだった。執筆時点でDXYは100近辺で推移し、日中安値99.42(6月15日以来の低水準)から反発している。週初は、ドナルド・トランプ米大統領が「イランへの攻撃計画を中止した」「交渉は月曜日に開始される見通しだ」と述べたことで、ドルは上値の重い展開で始まったが、その後イラン側が協議を否定したことでセンチメントが転じた。
その後の発言でトランプ氏は、イラン指導部を「二枚舌だ」と非難し、米海軍がホルムズ海峡を掌握していると述べたうえで、イランが合意に応じるか降伏するまで封鎖は継続すると警告した。別途、米ISM製造業PMIは7月に55.6と、6月の53.3から上昇し、市場予想の54を上回った。2022年5月以来の高水準となる。市場の焦点は今週発表される米労働市場指標と、9月の金融政策見通しへ移る。CMEのFedWatchツールでは利上げ確率が約60%と織り込まれており、ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)もDXYが96.00~100.00のレンジへ後退するとみている。
トレーディング戦略:ボラティリティと安全資産志向のポジショニングに注目
米ドル指数が重要な節目である100近辺で推移するなか、今後数週間は方向性を当てにいく取引よりも、ボラティリティを狙う戦略に注力することをデリバティブ取引参加者に提案したい。足元では日米協調介入で円が下支えされたことを受け、USD/JPY(ドル円)オプションのインプライド・ボラティリティが高止まりしており、レンジ相場を想定するトレーダーにはプレミアム売りの機会が生まれている。過去の協調介入は短期的に2%~4%の値動きを引き起こす傾向があり、市場が政策主導の境界を試す局面では、上下両方向の急な投げ(清算)が起きやすいことを念頭に置いてポジションを構築したい。
世界の石油液体消費のおよそ20%が日々通過するホルムズ海峡を巡る応酬の激化は、エネルギーおよび通貨デリバティブの感応度を高める。封鎖が強化された場合のエネルギー価格急騰に備えるヘッジとして、ブレント原油のブル・コール・スプレッドの活用を提案する。加えて、ワシントンとテヘランの地政学的摩擦が強まる局面では、短期の金コールオプション買いが有効な安全資産戦略となり得る。
金融政策見通しと、レンジ想定のドル戦略
市場が9月FOMCでの利上げ確率を60%と織り込むなか、政策見通しの変化を捕捉するため、短期金利先物を綿密に監視したい。7月ISM製造業PMIの強さ(55.6)は、米景気の底堅さを示唆しており、FRB(米連邦準備制度理事会)の判断を後押しする可能性がある。今後の雇用関連指標がこの強さを確認する内容となれば、利上げ確率は80%近辺へ急速に再評価されることが見込まれ、米国債先物の弱気ポジションが高い収益機会となり得る。
一部ストラテジストがDXYの96.00~100.00レンジでの持ち合いを予想するなか、アイアン・コンドルのようなレンジ型オプション戦略は足元で魅力が大きい。安全資産フローによる一時的な上振れに備え、上限は100.50をやや上回る水準に設定することを推奨する。これにより、プレミアムの時間価値減少を取り込みつつ、センチメント主導の急変によるブレイクアウトに対して資本を防御しやすくなる。
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