ゴールドは強気のギャップを伴って週初を迎えた後、上げ幅を縮小。XAU/USDは日中高値の4,084ドルから反落し、足元では4,036ドル近辺で推移している。値動きは、米国とイランのメッセージが錯綜したことや、米指標が集中する週を前にした慎重姿勢に加え、原油急落による短期的なインフレ圧力の低下が影響した。WTI(米原油)は8%超下落。ドナルド・トランプ米大統領が、計画されていた対イラン攻撃を中止したと述べたことが材料となった。一方、イラン外務省は「テヘランは現在ワシントンと協議していない」としており、ホルムズ海峡を巡る不確実性は残存。原油価格も戦前水準を上回るレンジにとどまっている。
原油安と米国債利回りの低下は金相場を下支えしたが、金融引き締め期待が上値を抑えた。ニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁は、政策金利は2%インフレ達成に向けた水準にあるとし、インフレが軌道に乗らない場合はFRBが対応すると述べた。CMEのFedWatchツールでは、9月利上げ確率が65%と織り込まれている。市場は、ISM製造業PMI、JOLTS、ADP雇用統計を経て、週末の米雇用統計(NFP)を待ち構えている。
テクニカル面では、XAU/USDは21日移動平均線(SMA)を下回り、50日線・100日線も下回った状態が続く。RSIは46、ADXは27。上値抵抗は4,065ドル、次いで4,174ドル、4,416ドル。下値支持は4,000ドル、次いで3,850ドルが意識される。
地政学的不確実性とボラティリティ上昇リスク
金(XAU/USD)は4,036ドル前後と、重要な心理的節目である4,000ドルのすぐ上に位置しているため、デリバティブ取引では慎重な対応を提案する。原油価格が8%超下落したことでインフレ懸念は一時的に後退したが、ホルムズ海峡を巡る地政学的摩擦は市場心理を不安定にしている。この緊張が、今後数日間の金価格ボラティリティを高止まりさせる可能性がある。
CME FedWatchツールは2026年9月のFRB利上げ確率を65%と示しており、無利息資産である金の上昇余地は限定されやすい。こうしたタカ派地合いは、米インフレがFRB目標を上回って推移していることとも整合的で、地政学ストレスが高い局面ではコアCPIが概ね2.6%〜3.0%で推移してきた経緯がある。今週は米経済指標が集中しており、特に金曜日の非農業部門雇用者数(NFP)を注視したい。
テクニカルレンジ取引と戦略上の留意点
日足RSIが46と中立圏にあることを踏まえると、金は4,000ドルと21日移動平均線の4,065ドルの間で持ち合い(レンジ)になりやすい。デリバティブ取引では、このレンジ相場を前提に、短期のアイアン・コンドルで時間価値の減衰(セータ)を取りにいく戦略が考えられる。ただし、雇用指標が予想から大きく乖離した場合、急激なブレイクアウトが起こり得るため備えが必要となる。
4,000ドルの下抜けが確定すれば、次の構造的サポートである3,850ドルに向けて急落が進む可能性がある。逆に、50日移動平均線の4,174ドルを日足終値で明確に上回って定着すれば、強気へのトレンド転換シグナルとなり得る。地政学ヘッドラインが交錯する局面では、オプション戦略の柔軟性を確保し、先物ではタイトなストップロスを併用してリスク管理を徹底したい。
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