英国のS&Pグローバル製造業PMIは7月に51.9となり、市場予想の52.8を下回った。景況の拡大・縮小の分岐点である50.0は上回っており、予想比で弱めの結果となったものの、工場活動がなお拡大局面にあることを示唆する。
データは、市場の想定に比べて勢いが鈍化していることを示しており、英製造業を取り巻く足元の見通しがより慎重なものになりつつあることを裏付ける。市場は、7月の下振れが一時的なブレにとどまるのか、それとも生産や受注トレンドの広範な減速の始まりなのかを見極めることになる。
為替およびデリバティブ戦略への含意
英国の製造業PMIが7月に51.9へ低下し、予想の52.8を大きく下回ったことを受け、短期的には英ポンドに下押し圧力がかかると見込む。過去の傾向では、PMIがこの程度の幅で予想を下回る局面では、向こう2週間でポンドは対米ドルで0.5%~1.2%下落することが多い。デリバティブ取引では、この下方モメンタムを捉えるため、GBP/USDの短期プット・オプションの購入を推奨する。
金利、国債利回り、株式市場のポジショニング
製造業の伸びが鈍化していることは、景気下支えのためにイングランド銀行(BOE)が年後半に利下げに踏み切る可能性を高める。一般に利下げは国債利回りの低下(価格上昇)につながる。足元で約4.1%にある2年物を中心に利回り低下余地が大きいとみられ、2年物英国債(ギルト)先物のロングを提案する。
株式デリバティブでは、弱いポンドが追い風となりやすいFTSE100指数に照準を合わせたい。構成企業の多くが海外売上比率の高い多国籍企業であるため、ポンド安が業績面でプラスに働きやすい。一方、内需寄りのFTSE250は国内景気の減速の影響を受けやすい。戦略としては、FTSE100のアット・ザ・マネー近辺のコール・オプションを購入しつつ、内需色の強いFTSE250を同時にショートする組み合わせを推奨する。通貨面のヘッジ効果を取り込みながら、国内景気減速による下振れリスクへの耐性を高める狙いがある。
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