AUD/JPYは、月曜に一時111.20近辺まで上昇したものの、その後は5日続落となり、アジア時間には4月上旬以来の安値を更新した。直近では110.00近辺に位置し、日中で0.50%超下落。先週、6月上旬以来の高値から急反落した流れを受け、上値の重い展開が続いている。
背景には、当局の対応と政策シグナルを受けた円高がある。日本の片山さつき財務相は、円安進行を抑えるため、金曜日に米国と「まれな二国間の為替介入」を実施したと述べた。これに対し、米財務長官のスコット・ベッセント氏は、無秩序な値動きが続く場合、ワシントンが追加の協調措置に加わる可能性があると示唆した。日銀は7月下旬の会合でタカ派姿勢を維持し、借入コスト(政策金利)の追加引き上げ継続に前向きな姿勢を示した。一方、豪ドルは、RBA(豪準備銀行)の早期利上げ観測が後退したことに加え、中国のRatingDog製造業PMIが市場予想を下回ったことを受けて軟化。豪州では基調インフレ率が前年比3.5%から3.6%へ小幅に上昇したものの、市場予想(3.7%)を下回り、総合インフレ率も弱含んだ。今年これまでにRBAが3回利上げを実施した後だけに、日銀が早ければ9月にも25bpの利上げに踏み切るとの観測も強まっている。
AUD/JPYの弱気トレーディング戦略
デリバティブ取引を行う投資家には、AUD/JPYが重要な心理的節目である110.00を下抜けしつつあることを踏まえ、弱気戦略へ速やかに軸足を移すことを提案する。協調介入は歴史的に、キャリートレードの巻き戻しを数週間にわたり大規模に誘発しやすい。2024年の円急騰局面では、円が主要通貨に対して数週間で10%超上昇した。2026年9月満期のAUD/JPYアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)プットを買うことで、下落モメンタムの加速を限定的なリスクで取り込める。
米日当局の共同対応により、キャリートレード買い手には大きなテールリスクが持ち込まれ、とりわけ円関連通貨ペアのインプライド・ボラティリティが急上昇する局面では影響が増幅される。日銀が2026年9月に25bpの利上げを示唆していることもあり、これまで豪ドルを優位にしてきた金利差は急速に縮小しつつある。こうしたボラティリティ上昇局面では、ベア・プット・スプレッドの活用により、スポット下落とオプション・プレミアム上昇の双方から恩恵を得やすい。
豪インフレ鈍化と中国減速の影響
通貨ペアのもう一方である豪州では、インフレ鈍化(コアCPIが予想3.7%に対し3.6%)により、RBAが追加利上げに踏み切る可能性は低い。さらに、中国の製造業の減速は豪州の輸出見通しに直結し、豪ドルの下押し要因となる。今後数週間を見据えると、AUD/JPY先物のショート、あるいは111.20のレジスタンス上にコール・スプレッド(コール売りを含む)を構築する戦略は、リスク・リワードの観点から魅力的と考える。
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