USD/JPYは木曜日、米連邦準備制度理事会(FRB)が政策を据え置いたことを受けて米ドルが軟化し、さらに日銀決定を前に発表された最新の米経済指標が市場予想を下回ったことから、0.31%安の162.90近辺で取引された。米国の第2四半期GDPは年率換算で1.5%増と、コンセンサスの2.1%増を下回り、第1四半期の2.1%増から減速した。米商務省経済分析局(BEA)は、減速の要因として政府支出の減少や投資・輸出の伸び鈍化を挙げる一方、個人消費の底堅さが一部相殺したと説明した。
インフレ指標も鈍化した。6月のPCE価格指数は前月比0.1%低下し、前年比は4.1%から3.7%へ低下。コアPCEは前年比3.4%から3.3%へ鈍化し、予想通りだった。FRBは水曜日、政策金利を3.5%〜3.75%に据え置いた。3人の委員が即時利上げを支持して反対票を投じたものの、会合後にドルはじり安となった。市場の関心は金曜日の日銀に移り、政策金利は1%で据え置きが見込まれる。市場は最新の見通しや植田和男総裁の発言から、次の一手の時期(10〜12月)に関する手掛かりを探っている。
デリバティブのポジショニングとイベントリスク
USD/JPYが162.90近辺で推移し、米国の成長率が1.5%へ減速するなか、当社はデリバティブ投資家が今後数週間での通貨ペアの下方向へのシフトに備えたポジション構築を検討すべきだと考える。米コアPCEインフレ率が3.3%へ鈍化し、FRBの姿勢も慎重であることを踏まえると、ドル高モメンタムは勢いを失いつつある。オプション市場を活用し、米ドル全般の調整に備えたヘッジを行うことを推奨する。
今後の日銀決定は重要なボラティリティ要因であり、とりわけ植田総裁が年内の利上げを示唆した場合には価格変動が増幅されやすい。歴史的に、米日金利差が縮小し始める局面ではUSD/JPYの巻き戻しが急速に進み、過去のタカ派転換局面で見られた1,000pips級の急落と同様の不安定な値動きとなることがある。こうした下振れ余地を取り込みつつリスクを厳格に限定する手段として、USD/JPYの短期プット(売る権利)オプションの買いを提案する。
ボラティリティ戦略と短期戦術
USD/JPYのオプションのインプライド・ボラティリティは、主要中銀会合を前に上昇しやすく、政策イベントが強く意識される局面では1週間物で12%を上回ることも多い。ボラティリティ上昇はオプションの単純買いのコスト増につながるため、プレミアムを抑える観点からはベア・プット・スプレッドの構築を選好する。この戦略により、日銀が想定以上に静観的だった場合の資本防衛を図りつつ、158.00のサポート水準への下落局面で収益機会を狙える。
米マクロ指標の鈍化、とりわけ個人消費と投資の減速は、当社のドル弱気見通しを補強する。FRBは政治的圧力の高まりと景気減速の双方に直面しており、弱い指標が続けば米国債利回りの低下につながりやすい。USD/JPYが一時的な反射で164.00近辺まで戻す局面は、ショート(売り)ポジションを積み上げるうえで非常に有利なエントリー機会として活用したい。
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