GBP/USD上昇は米ドル安が主因
足元のGBP/USD上昇は、英国経済の実力というより米ドル側の弱さに全面的に依存している。米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を3.50%〜3.75%に据え置いたのを受け、ポンドは1.3300を上抜けて上昇し、2日ぶり高値となる1.3350近辺まで到達した。ただ、この急伸は一時的で、借り物のラリーに見える。トレーダーは近くその「代金」を支払うことになるだろう。
テクニカル面では、1.3400手前に強い上値の壁がある。50日および200日の指数平滑移動平均線(EMA)がこの水準直下で収束しており、7月中旬以降の戻り局面をことごとく抑え込んできた「売り方の防衛線」として機能している。デリバティブ取引では、この収束帯を明確な基準点として、今後数週間のリスク設計を行うべきだ。
オプション・先物トレーダーにとって最も実行可能な戦略は、この強さを追わずに「戻り売り」で1.3400接近局面をショートすることだ。レジスタンス近辺でプット購入、またはショート構築はリスクリワードに優れる。目先の下値目標は、回復した1.3300のサポート棚で、次のターゲットは1.3250に置く。
ポンドは上抜けのファンダメンタルズに欠ける
過去データを踏まえると、英中銀(BOE)とFRBがともに据え置きを決めつつタカ派の反対票が入る局面では、フォワードガイダンスの弱い通貨は売られやすい。加えて、英国のインフレ率は足元で2.2%近辺に安定し、6月の小売売上高も前月比+0.5%とサプライズとなったものの、国内経済は「堅調」ではあっても、単独で上放れを強いるほど強いとは言い難い。このマクロ環境では、BOEが極端にタカ派化しない限り、ポンドが上昇を持続させるだけのファンダメンタルズの裏付けは乏しい。
戦略の規律として、無効化水準は日足終値で1.3400を上回ることに設定する必要がある。ここを明確にブレイクすれば、見方を転換し、7月中旬の高値である1.3550近辺への上昇余地が開ける。それまでは、ポンドの上振れは「絶好の売り場」と捉えるべきだ。
GBP/USDは、FRBが3.50%〜3.75%の目標レンジを据え置いたことを受けて1.3300を再び上回り、1.3350をわずかに上回る2日ぶり高値まで上昇した。決定はGMT18:00、投票は9対3で、3名が即時の0.25%利上げを支持した。値動きは、ロンドン時間が静かで、1.3300を中心に約30pipsのレンジで推移していた後、米決定を受けて反応した。市場の焦点は木曜GMT11:00のBOEに移り、政策金利3.75%の据え置き(7対2)が予想されている。あわせて金融政策報告書(MPR)と議事要旨が公表され、GMT11:30には総裁会見が予定される。チャート上では、50日・200日EMAが1.3400直下で収束したままで、7月中旬以降の上昇を抑える上値のフタとなっている。
米国側は、経済見通し(SEP)の公表がなく、フォワードガイダンスも示されなかったことで、利上げ織り込みが後退した。先物市場では9月16日までに少なくとも1回の利上げ確率が約64%(従来は約80%)へ低下し、12月時点で2回利上げの確率も約42%(57%から)に下がった。木曜GMT12:30に公表される米指標は、コアPCE(前月比+0.2%、前年比+3.3%)、速報値の第2四半期GDP(年率+2.1%)、新規失業保険申請件数(20.0万件、前回18.7万件)など。注目水準は、上値が1.3400直下のEMA収束帯、その次が7月中旬高値の1.3550近辺。下値は1.3300、続いて1.3250、さらに夏場のベースである1.3150直下が意識される。
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