金(XAU/USD)は上昇を2日連続で延長し、週明け月曜のアジア時間には1トロイオンス=4,103ドル近辺で推移している。背景には原油価格の急落があり、週末に米国とイランの軍事的敵対行為が一時停止したことを受けて、インフレ懸念や利上げ観測が和らいだ。
市場の焦点は、ボラティリティを高め得るマクロ・金融政策イベントが集中する今週のスケジュールへ移る。市場は米連邦準備制度理事会(FRB)、英イングランド銀行(BOE)、日銀(BOJ)の政策決定に加え、米GDP、米コアPCEインフレ率、さらにユーロ圏および豪州のCPIなど主要指標を見極めようとしている。地政学面では、米国が金曜遅くに対イランへの2週間の爆撃作戦を停止し、テヘランはワシントンの中東同盟国に対する報復攻撃を2夜連続で見送った。ロイターはまた、イランが「攻撃には攻撃で」応じる方針を維持していると報じており、米軍の攻撃が止まれば作戦も停止する可能性を示唆している。
ボラティリティ局面におけるデリバティブ取引戦略
金価格が1トロイオンス=4,103ドルという史上最高値圏で推移するなか、デリバティブ取引参加者には急変動への備えを推奨する。米・イラン間の敵対行為が突然停止したことで原油価格は沈静化したが、交渉が停滞すれば、この「一時的な安心感」は急速に反転し得る。こうした地政学リスクの急変に備えるヘッジとして、短期オプションの活用により、長期の方向性を固定せずに素早い価格調整を取り込む戦略が有効とみる。
今週はFRB、BOE、BOJが相次いで会合を開くため、金融政策の不確実性は高水準にある。米GDPおよびコアPCEインフレ率は、主要中銀が政策金利を据え置くのか、利下げに動くのかを左右し、金の利回り面での魅力度に直接影響する可能性が高い。データ結果がどちらに振れてもブレイクが起きやすいことを踏まえ、ストラドルなどのロング・ボラティリティ戦略で収益機会を狙うことを提案する。
歴史的なボラティリティ・パターンと売買ガイダンス
過去の傾向として、複数中銀の政策決定が重なる週には、金は週次で平均3%~5%の価格変動を示しやすい。直近2年の類似した重要マクロ週を振り返ると、FRB発表の直前に金オプションのインプライド・ボラティリティが20%超上昇する局面が繰り返し観測された。現状では、金ボラティリティ指数(GVZ)の拡大を見込むポジショニングは勝率の高い取引機会になり得ると考える。
先物取引では、当面の下方リスク管理の観点から、4,050ドルのサポート水準直下にタイトなストップロスを置くことが重要となる。インフレ指標が市場予想を上回れば、金はテクニカル面で急速に調整し、50日移動平均線に向けた下押しが起こり得る。一方、世界の中銀からハト派転換の兆しが出れば、モメンタム買いが大きく加速し、4,200ドル水準に向けた上伸を誘発すると見込む。
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