ポンドと英国債(ギルト)は、木曜午前のロンドン取引で下落した後、取引終盤にかけて下げ渋った。アンディ・バーナム首相の就任第1週は、慣例の閣僚改造と並行して、政策発表を矢継ぎ早に打ち出す展開となっている。具体的には、電気料金とパブの事業税(レート)の減税、ならびにキア・スターマー氏が引き上げたバス運賃上限の撤回が柱だ。
市場では、財源の手当てが示されていないことから不安が広がっている。これらの措置は、将来の増税か、政府借り入れの追加という形での負担増につながる可能性を高めるためだ。今後の焦点は、この初動パッケージの後に、数カ月先の秋季予算でより大規模な財政判断が下されるかどうかに移りつつある。こうしたリスクは、短期的にポンド心理を圧迫している。
下押し圧力下のポンド取引戦略
ポンドは目先、下落圧力にさらされているため、デリバティブ取引ではポンドのショート(売り)を狙う戦略を推奨する。GBP/USDは現在1.27近辺で推移しており、夏場の高値1.31から下落している。アウト・オブ・ザ・マネーのプットオプションを買うことで、限定的なリスクで弱気センチメントの恩恵を得ることができる。この戦略は、資本を保護しつつ、今回の減税に明確な財源が伴わないとの見方が織り込まれる中で、より深い通貨調整に備えるポジション構築となる。
財政不透明感の中での債券市場見通しと戦術
債券市場では、借り入れ拡大への警戒が強まるにつれ、英国ギルト利回りは一段と上昇すると見込む。ベンチマークの10年ギルト利回りは、木曜の市場反応を受けてすでに4.25%近辺へとじり高となっており、債券価格下落(利回り上昇)から収益機会を得るため、ギルト先物のショートを推奨する。2022年後半に財源不在の財政計画を背景に10年利回りが4.5%超へ急騰した市場混乱などの前例は、財政規律への疑念が生じた際に、英国債がいかに急速に価値を下げ得るかを示している。
秋季予算に向けては、市場ボラティリティが跳ね上がる公算が大きい。主要なポンド通貨ペアでロング・ストラドル(同一行使・同一満期のコールとプットの買い)やストラングル(異なる行使のコールとプットの買い)といったオプション戦略の実行を提案する。政府の財政拡張の真のコストが最終的に公になる局面では、上方向・下方向いずれにも急変動が起こり得るため、このアプローチにより大きな値動きからの収益化を狙える。
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