GBP/USDのテクニカル見通しと市場ドライバー
GBP/USDは水曜日のアジア時間に、4日続落のあと小幅反発し、1週間ぶりの安値とされる1.3360近辺から持ち直した。ただし1.3400は回復できなかった。米ドルは4日続伸で1週間ぶり高値を付けた後にいったん足踏み。米・イラン外交がエネルギー価格の低下につながり、米連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派的な見通しを和らげるとの期待が支えとなった一方、米国とイランの緊張は引き続きリスク要因となっている。
火曜日、ポンドは英国の雇用統計が底堅かったにもかかわらず下落。ロンドン市場で1.3450台をわずかに上回る水準から、ニューヨーク市場で1.3350台をわずかに上回る水準まで下げ、1.3400のすぐ下に集中する50日・200日EMA(指数平滑移動平均)を下抜けた。終盤には1.3380近辺で推移し、4日連続の下落に向かう動きとなり、7月半ばの反発開始以降で初めて両長期平均を下回って終える形となった。1.3150近辺からの上昇分の3分の1超が失われた計算だ。雇用者数は5月までの3カ月で前回の10万人から14.7万人へ増加。失業保険申請件数は6月に6,700件増と、市場予想(2万8,300件増)を下回った。失業率は予想の5.0%に対し4.9%へ低下。ボーナス込み平均賃金は市場予想4.5%に対し4.3%へ鈍化した。別途、欧州時間には1.3430近辺で推移し、テクニカル面では上昇チャネル、9日・50日EMAによる下支え、14日RSIが55近辺といった指標が示された。
デリバティブ戦略とファンダメンタルズの考慮点
今後数週間は、ポンドが対米ドルで主要サポートの維持を試される局面となるため、デリバティブ取引は慎重姿勢を勧める。足元で1.3400近辺の50日・200日EMAを下回ったことは、モメンタムの変化を示唆しており軽視すべきではない。1.3400の回復に失敗した場合の追加下落に備える手段として、短期のプットオプション購入などの短期オプション戦略は下方リスクのヘッジに有効となり得る。
英国の労働市場は失業率が4.9%へ低下するなど底堅さを示した一方、賃金上昇率が4.3%へ鈍化したことで、イングランド銀行(BOE)には追加利下げを検討し得る余地が生まれている。今後発表される英国CPIはインフレ率が2.0%目標近辺での推移が見込まれており、短期的にはポンドの下押し圧力が強まりやすいとみる。デリバティブ取引では、直近で上昇している週次のGBP/USDオプションのインプライド・ボラティリティを確認し、インフレ指標イベントを織り込んだプライシングを行うべきだ。
一方の米ドルは、地政学的緊張の振れとFRBの利下げ観測の調整を背景に下支えされている。現時点では先物市場で大幅なFRB緩和の確率が低下しており、ドルの底堅さにつながっている。世界的なエネルギーリスクが再燃する局面に備え、ドル高方向のポジション構築にはリスク・リバーサル(リスクリバーサル)を用いた戦略を推奨する。
重要水準とトレード推奨
GBP/USDの現物または先物を取引する場合、重要サポートの1.3350に注目したい。この水準を明確に割り込めば、夏場のベースとみられる1.3150へ向けて下落余地が一気に広がる可能性がある。今後2週間で1.3300〜1.3450のレンジに収れんする場合、アイアン・コンドルなどのレンジ戦略が高い収益機会となり得る。
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