USD/JPYは火曜日に上昇し163.00近辺へと水準を切り上げ、一時163.04に到達して163.00を上回った。163.00超えは1986年12月以来となる。米ドルは、中東情勢の緊迫再燃や原油高を受けた安全資産需要に支えられた一方、米指標は労働市場の勢い鈍化を示唆した。ADP雇用統計では4週平均が1万6500人と、前回の1万9250人から低下。インフレ指標の落ち着きもあり、FRBによる一段の積極的な引き締め観測は後退している。ただし、円安基調が続く中で、日本の財務省による対応リスクが引き続き焦点となっている。
日本の直近の経済カレンダーは材料難とされ、米東部時間午後7時50分に6月貿易統計が公表予定で、週後半にはCPIが控える。4時間足ではUSD/JPYは162.97で推移し、20期間SMA(162.45)と100期間SMA(162.15)を上回った状態を維持しつつ、163.04のレジスタンス直下で供給を試す展開となった。RSIは73前後。サポートは162.94、次いで162.75、162.59が示された。163.04を上抜ければ上昇が継続する一方、上値を抑えられれば持ち合い、または反落につながる可能性がある。
日本政府の為替介入リスクと取引戦略
USD/JPYが数十年ぶりの高値となる163.04を付けたことで、デリバティブ取引を行う投資家には、日本政府の為替介入を起点とする突発的かつ大幅なボラティリティに備えることを推奨する。歴史的に日本の財務省はためらうことなく行動しており、投機筋をけん制する目的で、過去には通貨防衛で前例のない9.8兆円(620億ドル)を投じたこともある。急激な反転に備え、短期のUSD/JPYプット(売る権利)オプションの購入でヘッジを検討したい。
テクニカル面では、4時間足RSIが73と強い買われ過ぎ圏にあり、上昇モメンタムは相応に行き過ぎていることを示す。ロングを保有している場合、直近サポートである162.94のすぐ下にタイトなストップロスを設定するのが有効とみられる。163.04のレジスタンスを明確に上抜けできない場合、100期間SMAの162.15近辺へ向けた素早い調整が起きる可能性が高い。
ボラティリティ見通しとオプション戦略
日本の貿易収支やCPIの発表を含む今後の経済イベントを受け、オプションのインプライド・ボラティリティは今後数日で一段と上昇する可能性がある。方向性を当てにいかず急変動から収益機会を狙う手段として、ストラドルなどのロング・ボラティリティ戦略の活用を推奨する。この手法は、地政学的ショックや日銀の予想外の政策判断による急変からポートフォリオを防御する効果も期待できる。
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