メキシコ・ペソは木曜日、リスク回避が米ドルを押し上げたことに加え、エネルギー価格の上昇がインフレ懸念を強めたことを受け、約0.30%下落した。USD/MXNは日中安値の17.37を付けた後、17.43で取引された。米10年債利回りは4.569%と2bp上昇し、ドル指数(DXY)は0.27%高の100.76となるなど、米金利の堅調さもドルを下支えした。米指標も動きを後押しした。6月の小売売上高は前月比0.2%増と、5月の1%増から伸びが鈍化。コントロール・グループ小売売上高は0.8%から0.5%へ減速した。7月11日終了週の新規失業保険申請件数は20.8万件と、市場予想(21.7万件)を下回った。
メキシコでは国内材料が乏しかったものの、米国とメキシコはUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)協議を継続しており、来週メキシコシティで第3回の正式協議が予定されている。市場ではバンシコ(メキシコ中銀)が政策金利を6.50%に据え置くとの見方が優勢。一方、スワップ市場はFRBの25bp利上げを織り込み、米墨金利差は250bpへ縮小する公算だ。テクニカル面では、USD/MXNは17.4309と、17.3786付近のSMA(単純移動平均)集積帯を上回って推移。上値抵抗は17.5456、より長期の上値メドは18.1200近辺。RSI(14)は49前後で推移した。
ボラティリティとマクロ要因がドルを下支え
地政学的緊張の高まりとエネルギー価格の上昇が米ドルを支える中、デリバティブ取引参加者はボラティリティの上昇に備えるべきだ。中東情勢を背景にブレント原油が足元で1バレル82ドル近辺で変動しており、安全資産需要が資金をドルへ回帰させている。この原油ショックにより、今後数週間はドル指数(DXY)が足元の100.76近辺で底堅く推移すると見込む。
オプション取引では、米国とメキシコの金利差が250bpまで縮小する見通しに注目したい。バンシコが6.50%で据え置く一方、FRBには利上げ圧力が残る状況では、USD/MXNのコールオプション購入が高いリターンをもたらす可能性がある。過去データでは、この利回り格差が300bpを下回る局面で、ペソはその後1カ月で概ね3%〜5%下落(ペソ安)しやすい傾向が示されている。
USD/MXNの取引戦略とリスクイベント
USD/MXN先物を取引する場合、主要サポートとなる17.3786のゾーンに注目したい。同通貨ペアがこの複数期間の移動平均による下値支持を上回る限り、押し目買いを基本とし、目標を17.5456のレジスタンス近辺に設定する戦略が有効と考える。この水準を明確に上抜ければ、構造的上値上限である18.1200に向けた急伸局面が視野に入る。
来週メキシコシティで予定されるUSMCA二国間貿易交渉の第3回協議を前に、エクスポージャーのヘッジも求められる。交渉は実務的に進展しているものの、足元で過去最高水準の約1,520億ドル近辺に達したとされる米国の対メキシコ貿易赤字は大きな摩擦要因だ。協議が突如決裂すれば急速なリスク回避を誘発し得るため、今後数週間に向けては、ペソに対するプロテクティブ・プットの活用が極めて有効な戦略となる。
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