
注目ポイント
- 銅は日足の「銅CFD(差金決済取引:現物を受け渡しせず、価格差だけを受け渡す取引)」チャートで1ポンド(約0.45kg)当たり6.30ドル近辺で推移し、6月下旬の安値(6.00ドル近辺)からの持ち直しが続いた。
- 中東情勢の再燃をいったん織り込み、投資家のリスク資産(株式など、価格変動が大きい資産)選好が追い風となり、週ベースで2週連続の上昇に向かう展開だった。
- 6.30ドル近辺は短期の主要な上値抵抗線(レジスタンス:上昇を抑えやすい価格帯)。上昇基調を強めるには、この水準を明確に上抜ける必要がある。
- 米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策シグナルが引き続き重要。金利が高い状態は、利息が付かない商品(非利回り資産:金属など)への資金流入を弱めやすい。
- 銅CFDチャートでは、直近の下値支持線(サポート:下げ止まりやすい価格帯)は6.24〜6.25ドル、その次は6.20ドルが意識される。
銅は週後半にかけて持ち直しを続け、中東での戦闘再燃よりも、幅広いリスク資産の強さが意識された。
週半ばに米国とイランの緊張が再び高まり、需要の下押し要因になり得るとの警戒が出たものの、銅は2週連続の上昇に向かった。
銅は建設、送電網(電力を運ぶ設備)、製造業、インフラに広く使われるため、世界景気の代替指標(プロキシ:景気を映しやすい指標)とみなされやすい。
中東で紛争が拡大すれば、ホルムズ海峡(中東の主要な原油輸送の要所)を通るエネルギー輸送が滞り、インフレ圧力が強まり、工業用商品(産業向けの原材料)の需要見通しが弱まる恐れがある。
ただ、足元では市場は今回の緊張を限定的とみている。衝突が2日続いた後も、イランと米国の技術協議(実務者レベルの協議)が継続し、懸念の拡大を抑えた。
銅が注目される理由
銅は、金利見通し、世界の製造業需要、通商政策リスク、中国市場の動きに影響を受けやすい。
米国の経済指標は、FRBの次の金融政策の示唆に影響し得るため重要だ。金利が高い状態は、利息が付かない商品への需要を弱め、景気や企業活動にも重しとなりやすい。利上げ観測が後退すれば、ベースメタル(銅・アルミなど産業用金属)への投資心理を支えやすい。
7月上旬には、追加利上げ観測が後退したことが銅を下支えした。中国の金属買いも追い風となり、生産企業の上期決算を前に、一部資金が金属関連株や先物(将来の売買価格を決める取引)に向かった。
短期の環境は強弱が混在する。リスク選好は改善している一方、FRBの方針、中国の需要、現物市場(実際の受け渡しを伴う市場)の需給を見極める材料がそろうまで、大きな上昇を織り込みにくい。
夏場の上昇でも逆風は残る
直近の週次上昇は勢いの改善を示すが、夏場の上昇局面には逆風もあり得る。
米関税への警戒が薄れれば、これまで価格を支えた要因が一つ後退する。同時に、市場はFRBのタカ派化(利上げに前向きな方向への変化)に敏感だ。
年後半に利下げ寄り(ハト派:金融緩和に前向き)へ期待が傾き、2027年にかけて現物銅の供給逼迫が意識されれば、追い風が強まる可能性がある。
短期は材料不足で上昇が鈍りやすい一方、中期は金融政策見通しの改善と需給の引き締まりが進めば、見方が上向きやすい。
太陽光分野が中長期の需要要因に
太陽光発電産業の動きも、銅の中長期需要として注目されている。
中国最大の太陽光メーカーが、銀の代わりに銅を使うセル(太陽電池の発電部品)の生産を開始した。銀価格の急騰が、昨年以降サプライチェーン(供給網)を圧迫していることへの対応だ。
足元の週次上昇の主因ではないが、中長期の需要要因になり得る。銀から銅への置き換えが広がれば、再生可能エネルギーの供給網での銅の位置づけが改めて意識される。
主要な売買水準
| 価格水準 | 注目点 |
| $6.45 | 戻りが続いた場合の上値の目安(上値抵抗) |
| $6.40 | 現在のレンジ上方の次の上値抵抗 |
| $6.35 | 6.30ドルを上抜けた場合の次の上値目標 |
| $6.30 | 短期の主要な上値抵抗。上抜けの分岐点 |
| $6.30 | 現在のチャート水準 |
| $6.24 to $6.25 | 直近の下値支持帯 |
| $6.20 | 勢いが弱まった場合の短期サポート |
| $6.10 | 直近の反発局面から見た一段下のサポート |
| $6.00 | 6月下旬の安値圏 |
銅CFDの日足チャートでは、価格は6.2981ドル近辺で推移し、当日ベースで0.84%上昇。直近のローソク足(一定期間の始値・高値・安値・終値を示す表示)は、始値が6.2456ドル近辺、高値が6.3002ドル近辺、安値が6.2385ドル近辺で、安値圏から持ち直した。
短期の最大の焦点は6.30ドル。ここを明確に上抜ければ、買い戻し(売りポジションの解消)と新規の買いが重なり、戻り局面の継続を示唆しやすい。
6.30ドルを上抜けた場合、次の注目は6.35ドル。上昇が続けば6.40ドル、6.45ドルが意識される。
下方向では、まず6.24〜6.25ドルがサポート。ここを維持できれば、戻りの形は崩れにくい。
6.24ドルを下回ると短期の見通しが弱まり、6.20ドルが視野に入る。売りが強まれば6.10ドル、さらに6月下旬の安値である6.00ドル近辺が再び意識される。
強気・弱気の想定

| 想定 | 条件 | 想定される反応 |
| 上抜けを試す動き | 6.30ドルを上回って推移 | 6.35ドル方向を試す可能性 |
| 強気の継続 | 6.35ドルを上抜け | 6.40ドル方向へ勢いが続く可能性 |
| 戻りが強まる | 6.40ドルを上抜け | 6.45ドルに接近する可能性 |
| サポート維持 | 6.24〜6.25ドルを維持 | 戻りの形は維持 |
| 勢いの低下 | 6.24ドルを下回る | 6.20ドルを再度試す可能性 |
| 下落の拡大 | 6.20ドルを下抜け | 6.10ドル方向へ下押しが強まる可能性 |
| 一段安 | 6.10ドルを下回る | 6.00ドルの安値圏が再び意識される可能性 |
強気シナリオは、6.30ドルを維持できるかが前提。戻り局面の上限付近でも買いが続いていることを示す。
6.35ドルを上抜ければ、上抜けの形が強まり、6.40ドルに焦点が移る。さらに勢いが続けば6.45ドルが次の上値抵抗となる。
中立は、6.24〜6.30ドルのレンジでのもみ合い。米指標、FRB見通し、中国需要の手掛かり待ちを示す。
弱気は、6.24ドルを下回る場合。買い支えが弱いことを示し、6.20ドルが再び焦点になりやすい。
6.20ドルを下抜ければ下落圧力が強まり、6.10ドル、次いで6月下旬安値の6.00ドル近辺が意識される。
免責事項
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銅は、金融政策、世界の製造業、通商政策、鉱山供給、現物需要の変化に反応しやすい。
VT Marketsでは、銅CFDに加え、為替、株価指数、金、原油、株式、ETF(上場投資信託:株式のように取引できる投資信託)など、複数のCFD市場に単一プラットフォームからアクセスできる。銅を追いながら、米ドル、工業用商品、投資家心理の動きもあわせて確認しやすい。
チャート機能で、サポート、レジスタンス、モメンタム(値動きの勢い)、ブレイクアウト(節目の上抜け・下抜け)を確認し、次の売買局面に備えたい。
プラットフォーム機能(マーケット情報、学習コンテンツなど)を利用するには、VT Marketsの口座を開設できる。
次に注目する点
銅が週次上昇後も6.30ドル近辺を維持できるかが焦点となる。
米国の経済指標は、FRBの次の政策判断への見方を左右する。タカ派的な金利見通しは銅の重しとなりやすく、利上げ観測の後退は工業用金属を支えやすい。
中東情勢も注視したい。紛争が拡大すれば、ホルムズ海峡のエネルギー輸送に影響が出て、インフレ懸念が強まり、工業用商品の需要見通しが弱まる恐れがある。
中国需要と生産企業の動向も重要。中国から強い需要シグナルが出れば銅の下支えとなり得る一方、産業活動が弱ければ戻りは限定されやすい。
太陽光分野で銀から銅への置き換えが進めば、中長期の需要材料となる。広がる場合、再エネ供給網での銅の重要性が再評価される可能性がある。
短期は6.24〜6.30ドルが中心レンジ。6.30ドルを明確に上抜ければ6.35ドルが視野に入り、6.24ドルを下回れば6.20ドルが意識される。
よくある質問
なぜ銅は上昇したのか?
中東での戦闘再燃よりも、株式などリスク資産の堅調さが材料視された。また、6月下旬の安値(6.00ドル近辺)からの戻りを維持した。
なぜ6.30ドルが重要なのか?
提示された銅CFDチャートでは、6.30ドルが短期の主要な上値抵抗。ここを明確に上抜ければ、上昇の勢いが続く可能性が高まる。
イラン情勢はなぜ銅に関係するのか?
紛争が拡大すれば、ホルムズ海峡の輸送に支障が出て、インフレ懸念が強まり、景気が鈍化する恐れがある。結果として、銅など工業用商品の需要見通しに影響する。
FRBの政策はなぜ銅に影響するのか?
金利が高い状態は、利息が付かない商品への資金流入を弱め、産業活動にも重しとなりやすい。利上げ観測が後退すれば、ベースメタルへの投資心理が改善しやすい。
太陽光需要はなぜ銅に関係するのか?
銀価格の急上昇を受け、一部メーカーが銀から銅を使う技術へ移行している。普及が進めば、銅の中長期需要が増える可能性がある。
注目すべき価格水準は?
上値は6.30ドル、次いで6.35ドル、6.40ドル、6.45ドル。下値は6.24〜6.25ドル、次いで6.20ドル、6.10ドル。
銅を押し上げる要因は?
6.30ドルを維持し、市場のリスク選好が安定し、FRB見通しがタカ派から後退し、中国需要の改善が示されれば、上昇しやすい。
銅を押し下げる要因は?
6.24ドルを下回り、FRB見通しがタカ派化し、中東情勢が悪化し、工業需要の見通しが弱まれば、下落しやすい。
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