EUR/CADは2日続落の後に反発し、欧州時間には独貿易統計の強さがユーロを下支えしたことで、1.6210近辺で推移した。ドイツの5月貿易黒字は191億ユーロと2月以来の高水準に拡大し、市場予想の148億ユーロを上回った。なお4月は黒字幅が上方修正され147億ユーロとなっている。輸出は前月比0.9%増と、0.3%減を見込んでいた市場予想に反して3年半ぶりの高水準となった一方、輸入は同2.5%減と、0.1%増予想に反して3カ月ぶりの低水準へ落ち込み、前月の1.1%増から減少に転じた。
カナダドルは原油安と歩調を合わせて軟化し、クロスの支援材料となった。執筆時点でWTIは1バレル=73.00ドルを下回っている。別途、ホルムズ海峡の支配を巡る情勢に関連し、米国とイランが2日連続で軍事攻撃を応酬した。イラン国営通信IRNAによれば、最新の米国による攻撃でイラン西部で3人が死亡し、複数が負傷したという。
Competing Economic and Energy Market Dynamics
当社はEUR/CADが1.4950近辺でボラティリティを伴って推移している点に注目している。今後数週間の方向性は、欧州の経済データと北米のエネルギー市場の乖離によって左右される可能性が高い。そのため、通貨ペアに働く相反する圧力を前提にポジション構築を検討すべきだろう。
ユーロの見通しは強弱が交錯する。ドイツの5月鉱工業生産は前月比0.4%増と小幅な伸びにとどまり、景気の急加速期待をやや冷やした。ユーロ圏の6月インフレ率(速報)は2.3%で横ばいとなっており、欧州中央銀行(ECB)が新たな政策方向を示唆する公算は小さい。ユーロ単体では、目立った上昇材料を欠く可能性がある。
一方、カナダドルは底堅いエネルギー価格の恩恵を受けている。WTI原油は足元で1バレル=84ドルを上回って推移している。加えて、カナダ銀行(BOC)は昨日の会合で政策金利を据え置き、国内の物価圧力が根強いことを理由に挙げた。商品市況の強さと慎重姿勢の中銀の組み合わせは、カナダドル(ルーニー)に下値の支えを与えている。
また、原油価格に織り込まれた地政学リスク・プレミアムが持続している点も考慮する必要がある。ホルムズ海峡では海軍の警戒活動や軍事演習が増え、供給途絶懸念がくすぶる。歴史的に、同地域での小さな緊張の高まりでも原油価格が急騰しやすく、CAD高—EUR/CAD下落の圧力となり得る。
Trading Strategies Amid Geopolitical Uncertainties
ファンダメンタルズ面でCADの支援材料が相対的に強いことを踏まえると、EUR/CADの1.4900を下回る行使価格のプット・オプション購入を検討する余地がある。これにより、ペアの下振れ局面での収益機会を狙いつつ、最大損失を明確に限定できる。当社は、今後4〜6週間の満期が値動きを捉える上で適切な時間軸になり得るとみている。
方向感は定まらないが大きな変動を想定する場合には、ロング・ストラドル戦略が選択肢となる。足元の1.4950近辺でコールとプットを同時に購入することで、原油のショックやユーロ圏の予想外の指標に伴う大きなブレイクアウトから利益を得られる可能性がある。このアプローチは、現在の地政学的不確実性の下での運用に適している。
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