S&P500の予想では、Q2(第2四半期)利益は売上高が前年比+11.3%増となるなかで同+24.0%増が見込まれており、Zacksの16セクター中11セクターで増益が予想されている。エネルギーの上方修正分を除いても、指数全体(エネルギー以外)のQ2コンセンサスは4月初旬以降プラス圏を維持している。主因は引き続きテクノロジーで、同セクターは利益が+48.5%増と見積もられており、これを除くと指数のQ2増益率は+24.0%ではなく+12.2%にとどまる。「マグニフィセント7」は売上高+24.4%増に対して利益+28.5%増が見込まれ、これらを除く残りは全体+24.0%に対し+22.5%増となる見通し。金融はQ2利益が売上高+8.3%増に対して+12.7%増と予想され、前四半期の売上高+9.8%増に対する利益+25.6%増に続く。なお同セクターは、今後12カ月予想利益の16.4%を占める。
JPMorgan、Bank of America、Citigroup、Wells Fargoは7月14日に決算発表予定で、予想修正はまちまち。JPMorgan、Bank of America、Citigroupは上方修正された一方、Wells Fargoは小幅下方修正となった。JPMorganはEPS(1株当たり利益)5.49ドル、売上高487億ドルが予想され、前年差+10.7%、+8.5%。同社のコンセンサスEPSは1カ月で+1.9%、3カ月で+3%上昇した。3カ月の変化ではBank of Americaが+2.8%、Citigroupが+4.7%に対し、Wells Fargoは▲1.1%。Zacksの「投資銀行/マネジャー」業種では、Q2利益は売上高+11.4%増に対して+11.1%増が見込まれ、トレーディング収益の伸びは+10〜15%レンジが示唆されている。4月以降の修正はエネルギー、テック、素材、公益、ビジネスサービスでプラスだが、エネルギーとテックの両方を除くと指数全体のQ2予想はマイナスとなる。通年(2026年)予想は3月初旬以降、16セクター中11セクターで上昇しており、上昇のけん引役はエネルギー、素材、テック、資本財、公益、ビジネスサービス。一方、運輸、自動車、医療、一般消費財(裁量消費)は下押し圧力を受けている。
S&P 500 Outlook And Sector Highlights
Q2利益見通しが強いことを踏まえると、今後数週間の市場は上昇しやすい(最も抵抗の少ない方向は上)とみている。S&P500利益が+24.0%増という予想は株式に強気の地合いを与える。したがって、上昇または横ばいの市場環境で収益機会を得る戦略を選好したい。
CBOEボラティリティ指数(VIX)は足元で14.5と比較的低水準で推移しており、オプション・プレミアムは過度に割高ではない。このため、広範な市場指数を対象としたコール買い、あるいはコール・デビット・スプレッドの構築は、上振れサプライズに備える手段として魅力的だ。歴史的に、既に高い期待を上回る決算シーズンでは市場が堅調となりやすく、このパターンが再現される可能性があると見込む。
テクノロジーは引き続き成長の主エンジンで、利益は+48.5%増と急伸が予想される。2026年6月の業界レポートでは、AIインフラへの企業支出が前年比+50%超の伸びを維持したことが示され、主要テック企業の見通しを直接下支えしている。今月後半の主要決算日程を前に、テック系ETFへの強気エクスポージャーを積み増す方針だ。
直近の焦点は7月14日から始まる大手銀行決算にある。米連邦準備制度理事会(FRB)の最新H.8統計では、四半期最終月に商業ローン伸び率が年初来で最速に加速したことが確認され、JPMorganおよびBank of Americaの業績予想の上方修正を裏付ける。来週は金融セクターでポジティブな反応を見込むポジショニングに機会があるとみる。
Strategy Considerations And Risk Management
全体見通しは前向きである一方、セクター間の乖離は明確だ。利益予想が下方修正されている運輸や一般消費財(裁量消費)などには慎重姿勢を維持する。これにより、例えばテックをロングしつつ、弱含む消費関連ETFにプロテクティブ・プットを組み合わせるといったペアトレードが魅力的となる。
地政学的緊張が市場ボラティリティを誘発し得るという基礎リスクを踏まえ、基本的には損失限定型(ディファインド・リスク)のオプション戦略を用いる。スプレッドを活用することで、特定のセクターや個別銘柄に関する強気シナリオに狙いを絞れる。これにより資本効率を管理し、想定外の悪材料に対する耐性を高める。
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