USD/CHFは水曜日に5日ぶり高値の0.8108に触れた後に反落し、火曜日にイランが船舶を攻撃したことを受けた停戦をめぐるドナルド・トランプ米大統領の発言でリスクセンチメントが悪化する中、約0.02%下落した。通貨ペアは0.8078で推移し、0.8100超えが「ダマシ」となった後に後退した。週初にはモーニングスターのパターンを形成した一方、RSIは強気圏を維持しつつも勢いが鈍り始めている。
上値の目処は0.8108の再試し、続いて7月1日の高値0.8120。さらに上では0.8200、その後は0.8250(2025年6月4日の日足高値)、上方に0.8300が意識される。下値では0.8000を割り込むと、50日SMAの0.7934、次いで200日SMAの0.7915へ下げ余地が広がり、下方に0.7900が控える。スイスフラン(CHF)は取引量の多い通貨で、2011〜2015年にかけては対ユーロでペッグ制が敷かれていたが、解除をきっかけに20%超上昇した経緯がある。ユーロとの相関は90%超とモデル化されており、スイス国立銀行(SNB)はインフレ率2%未満を目標に掲げ、年4回会合を開催する。
リスク回避とテクニカルシグナルがフラン優位を示唆
USD/CHFは0.8100水準を上回る上昇を維持できず反落しており、典型的なリスクオフ局面を映している。直近高値0.8108からの後退は、トレーダーがスイスフランに安全資産需要を求めていることを示唆する。世界的な景気先行き不透明感が続くことに加え、主要国からのシグナルが強弱入り混じるなか、逃避需要の高まりが確認される。
今週は一定の強気モメンタムがみられたものの、RSIには息切れの兆候が出ている。これは上昇ドライブの失速を示す可能性があり、通貨ペアが下方向に脆弱になり得る。当面の注目水準は心理的なサポートである0.8000だ。
戦略とマクロ要因:上値・下値の焦点
上値余地を見込むトレーダーは、0.8108を明確に上抜けた場合にコールオプションを検討する余地がある。こうした動きはドル再強含みを示し、0.8120および0.8200のレジスタンス・テストへの道を開き得る。ただし、その実現には米国の経済指標が市場予想を上回る展開が必要になりやすい。
一方、0.8000を割り込む局面では、下振れリスクへのヘッジや弱気ポジションの方が相対的に妙味があるとみる。この見方を支える材料として、スイスのインフレが粘着的に高い点が挙げられる。直近の前年比は2.3%とされ、SNBがタカ派姿勢を維持する圧力となっている。0.8000割れは50日移動平均線(0.7934近辺)に向けた下落を誘発し得る。
SNBはインフレが2%目標を上回る状況を容認しない姿勢を明確にしており、これがフランの下支え要因となる。これに対し米国では、直近の非農業部門雇用者数(NFP)が19.5万人と予想をやや下回り、景気が緩やかに減速しているとの見方を補強した。中銀見通しの分岐は、短期的に米ドルよりフランを選好しやすい構図につながる。
また、スイス経済と高い相関を持つユーロ圏の景況にも目配りが必要だ。主要貿易相手国であるドイツの製造業PMIは44.2と発表され、産業部門の縮小が続いていることを示した。欧州のさらなる弱さが確認されれば、地域的な安全資産としてフランの魅力が増し、USD/CHFに下押し圧力がかかる可能性がある。
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