日本円は水曜日、対米ドルで0.26%超下落し、USD/JPYは一時162.03前後まで付けた後、162.54となった。動きの背景には米連邦準備制度理事会(FRB)の会合議事要旨があり、当局者が金利据え置きを支持し労働市場を安定的と評価する一方で、参加者の大半が「いくらかの追加的な政策引き締めが必要となる可能性が高い」と判断したことが示された。参加者の一部は、AIインフラ需要と一部関連して物価が高止まりし得るシナリオにも言及し、政策スタンスが引き締め的かどうかについては見解が分かれた。
全体のムードは強弱まちまちだったが、ドナルド・トランプ氏が対イラン姿勢をよりタカ派化したことでドルが支えられ、米ドル指数(DXY)は101.00を回復した。金利見通しでは、9月に50bp利上げとなる確率が18%、25bp利上げの確率は52%近辺を示唆。米10年債利回りは1.5bp上昇して4.569%となり、USD/JPYの底堅さと整合的だった。ドル円は162.00を上回って推移し、短期的な節目として162.84が意識された。これを上抜けると、163.00、続いて165.00、170.00が次の水準として挙げられた。
FRBの政策見通しと市場の材料
FRBが最新の議事要旨で示したタカ派姿勢を踏まえ、米ドルは対円で強含みが続くとみる。議事要旨は、根強いインフレに対処するため、多くの当局者が追加の政策引き締めが必要になる可能性が高いと考えていることを確認した。したがって、今後数週間でUSD/JPYは足元の162.54から一段高を試す展開を想定したい。
この見方は、足元の米国の堅調な経済指標にも支えられている。6月の雇用統計では非農業部門雇用者数(NFP)が25.5万人増と強い結果となり、今週公表のCPIでは総合インフレ率が3.4%と粘着的であることが示された。これらの数字は、FRBに追加利上げを検討する余地を与えている。
その結果、CME FedWatchツールによれば、デリバティブ市場では9月会合での25bp利上げ確率が75%超へと織り込まれている。数週間前からの大きな変化であり、FRBのインフレ抑制姿勢に対する市場の確信が強まっていることを映す。より大きい50bp利上げの確率も20%近くまで上昇した。
最重要のドライバーは日米金利差の拡大である。米10年債利回りはFRBの見通しを受けて4.65%へと上昇する一方、日本の10年国債利回りは1.0%未満にとどまる。この大きなギャップにより、円よりも米ドルを保有する魅力が相対的に高い。
売買戦略と政策スタンスの乖離
トレーディングの観点では、USD/JPYコールオプションの買い、または円先物の売りが最も直接的な戦略と考える。7月1日高値の162.84を明確に上抜ければ、165.00に向けた道が開ける。さらに上では、心理的節目の170.00が中期目標として現実味を帯びる。
一方、日本銀行は積極的に動く余地が乏しい。日本のコアインフレ率が2.0%を下回って推移する中、日銀が政策正常化を加速する可能性は低い。こうした政策の乖離が、引き続き円の重しとなる。
ただし、日本の財務省による為替介入リスクには警戒が必要だ。2022年や2024年に見られた通り、円安の進行が速すぎると当局は発言を強め、最終的に行動に移す。165.00に接近する局面では介入確率が大きく高まり、急激ながら(おそらく一時的な)反転を招く可能性がある。
地政学リスクの高まりも、現時点では円よりドルを選好させている。トランプ大統領の対イランに対するタカ派姿勢が、究極の安全資産としての米ドルの地位を押し上げている。この力学が、不確実性局面での円の伝統的な「逃避先」としての役割を上回っている。
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