スウェーデンの鉱工業生産(生産額)の伸びは5月に急減速し、前月比(季節調整済み)は前回の4.2%から0.6%へ低下した。前月の強い伸びの反動もあり、足元の生産拡大ペースが鈍化していることを示す。
前月比でみた今回の減速は、夏入り局面で鉱工業セクターの勢いが削がれたことを示唆する。ヘッドライン以外の詳細な内訳は示されていないものの、生産額ベースで4.2%から0.6%へと大きく減速した点は、比較的落ち着いた月となったことを浮き彫りにしている。
成長減速と為替見通し
スウェーデンの鉱工業生産の大幅な低下は、景気のモメンタムが想定以上に速く失われつつあることを示す。前月からの急減速は、同国経済の先行きに対する明確な弱気シグナルと言える。今後、スウェーデン資産の弱含みに備えたポジション構築が必要となる。
この統計は、向こう数週間でスウェーデン・クローナ(SEK)が下押しされる可能性を高める。6月の製造業PMIも48.9へ低下し、景況感の縮小を示したことで、市場の流れはネガティブだ。したがって、足元およそ11.60近辺にあるEUR/SEKの上昇を見込み、同通貨ペアのコール・オプション購入を検討する。
株式市場と金融政策への含意
今回の指標はスウェーデン株式市場、とりわけOMXストックホルム30指数に採用される産業大手に対する警戒シグナルとも受け止められる。生産の鈍化は、アトラスコプコやボルボといった主要輸出企業の利益予想に直結し得る。指数のプット・オプションを購入することは、市場下落局面への有効なヘッジとなる。
加えて、6月のインフレ指標であるCPIFが1.9%となったことも踏まえると、こうした景気の弱さはリクスバンク(スウェーデン中銀)に対し、よりハト派的なスタンスを取る余地を与える。歴史的に中銀は成長が失速すれば緩和方向へ舵を切ることをためらっておらず、8月会合での利上げはこれまで以上に見込み薄となる。この点は、SEK安方向の見方と、株式市場の鈍い基調を補強する。
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