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米ドル/円は161.70円に反落、キャリー取引継続とホルムズ海峡情勢緊迫でドル買い強まる

by VT Markets
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Jul 7, 2026

USD/JPYは月曜遅くに162円台半ばから反落した流れを引き継ぎ、火曜アジア時間には戻り売りが続いて161.70〜161.65円近辺へ下落した。もっとも、日本当局による介入が見られないことや、基調としての下支えがあることから下げは限定的となった。当局が介入を「予告」する姿勢から、投機筋を標的とする方向へ軸足を移しているとの報道は、これまでのところ市場に持続的な影響を与えていない。一方、日本と米国など他国との金利差が大きいことからキャリートレードが継続し、中東情勢の緊張がマクロリスクを高める中でも円の重しとなっている。

地政学リスクは、海事機関が「ホルムズ海峡を航行中のタンカーが正体不明の飛翔体により被弾した」と発表したことで一段と強まった。航路通行に対する課金をめぐる米国とイランの対立に関連した不安が広がっている。こうした環境は、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測が後退してドル高圧力が和らぐ局面でも、ドルの安全資産需要を下支えしている。日本では、5月の名目賃金が前年比+3.2%(前回は+3.6%に改定)、実質賃金は+1.4%と5カ月連続で増加した一方、家計支出は前年比-0.4%と6カ月連続の減少となった。市場の注目は水曜公表のFOMC議事要旨に移っている。

金利差とキャリートレードによる下支え

足元のUSD/JPYが161.70円近辺へ下押ししている局面は、トレンド転換というより押し目買いの好機とみる。円安・ドル高を支えるファンダメンタルズ要因は依然として明確であり、日本当局が具体的な措置に踏み切らない限り、調整局面は短命に終わる可能性が高い。

最大の材料は金利差で、キャリートレードの妙味を高めている。米FF金利が5%超で推移する一方、日銀の政策金利はゼロ近傍にとどまり、円で借りてドルを買うことで相応の金利収益が得られる。この構造的要因が円に下押し圧力を与え続けている。

もっとも、介入リスクには警戒が必要だ。相場水準は2022年に当局が動いた152円水準を大きく上回っている。当局は言葉で投機筋をけん制しているように見えるが、急激な変動があれば財務省がドル売り・円買い介入に踏み切る可能性は十分ある。したがって、強気見通しの表現には、下方リスクを限定できるコールオプションの活用も検討している。

地政学的緊張と経済ファンダメンタルズ

中東、とりわけホルムズ海峡を巡る緊張は、ドルの安全資産としての魅力を高めている。足元の混乱によりブレント原油価格は1バレル=90ドル近辺へ戻しており、エネルギー輸入国である日本経済の負担を増やすことで、ドル高を補強している。世界的な不確実性が高まる局面では、円の保有魅力が相対的に低下しやすい。

今週公表された日本の経済指標も円の支援材料には乏しい。実質賃金は5カ月連続で増加したが伸びは鈍化し、家計支出は5月に前年比-0.4%と減少が続いている。内需の弱さは、日銀がより積極的な引き締め路線を取る余地を乏しくしている。

米国では、コアCPIが3.2%近辺で粘着的に推移していることを示す最近のインフレ指標を踏まえると、FRBが利下げを急ぐ状況にはない。今週の焦点であるFOMC議事要旨は、「高金利の長期化(higher for longer)」姿勢を再確認する内容になると見込まれる。この見通しは、対円でのドルの基調的な下支え要因として作用し続けそうだ。

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